テレビ業界はとても華やかで、番組制作の現場でアシスタントディレクターとして働いてみたいと思います。ただし、アシスタントディレクターは大変な仕事だという事も耳にします。アシスタントディレクターの仕事内容と、働いてみて分かった理想と現実の差を教えてください。
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私はテレビ業界、特に音楽番組のアシスタントディレクターに憧れ、正規で大手のテレビ局の下請け会社に入社いたしました。もともと就職サイトには、残業はあるものの、19時に退社でき、週休二日制と記載がありました。制作会社なので、パソコンで動画の編集や収録現場での手伝いという認識はありました。テレビで見た印象やイメージなどでは、アシスタントディレクターは始めはかなり過酷だが、ディレクターになる為には過酷な労働を経験する必要があるのだろうと感じておりました。
実際に入社一日目は、アシスタントプロデューサーの方にディレクターの仕事について教えていただき、まず、テレビ業界で成功したらお給料は普通の正社員以上は貰える、芸能人やマネージャーの連絡先を手に入れられると、夢のような話ばかり聞かされ、これはもう天職につけたなという印象でした。初日はそういったお話や、研修が終わったあと、配属先希望を出し、プロデューサーやディレクターの方々に夕飯をご馳走になりました。
そして、二日目、思い描いていたものと現実はかけ離れておりました。まず、アシスタントディレクターは、制作のお手伝いではなく、雑用でした。雑用でもやりがいのある雑用ならいくらでも耐えられましたが、芸能人にお出しする水は、一口飲む毎に新しい物に買い換えておりました。また、スタッフの方々がのむお茶も1リットルのものも、まだかなり残っていても全てトイレに流し、新しい物に替えておりました。また、基本的に習うより慣れろ精神の現場なので、その機材をどう使うのか、どこに置いてあるのか教えてもらえず、ただ「〇〇でここ〇〇」してと、わけのわからない専門用語で命令され、教えてもらってないので分かりませんと言っても怒られるだけです。また、アシスタントディレクター以外でも、カメラマンや証明のアシスタントさんも怒られ怒鳴られと、罵声が飛び交っておりました。
現場は過酷と前情報で聞いておりましたので、そこは仕方なく耐えられると思っておりましたが、一番辛かったのは、週休二日どころではなく、一週間はざらに家にも帰れないということです。お給料を時給換算したら、大学生の頃にしていたバイトよりも数百円安いくらいでした。入社日に甘い誘いにのせられ、現実はお金なし、時間なし、人情なしの、現場だということが分かりました。夢描いていた業界でしたが、制作の裏ではこうなっているのだと現実を知った以上、長くは勤められないと感じました。スタッフも楽しく制作して初めて楽しい番組が作れるのではないかと思いますが、これが現実です。