私は医事課に所属し、病棟で消化器内科を担当しています。
当院はDPCを導入して3年になります。DPC自体には慣れましたが、未だICDには慣れません。診療情報管理室から度々指摘を受けています。
先日も医療資源病名が食道静脈瘤、ICDコードがK922、不一致ではないですかという問い合わせがありました。やってしまいました。当然その時点では解るのですが、退院人数が多い時には、ついつい見落としてしまうことがあります。「ICDコードもきちんとチェックしましょう。様式1はこちらで訂正しておきますね」と電話の向こうで言っています。
すでに退院した患者さんでしたので、請求点数も変わります。患者さんの一部負担金も変わってしまい、ご迷惑をおかけすることになります。追加請求となる場合には、ご納得いただけないこともあります。改めて患者さんにDPCを説明するのは難しいです。
いっそのこと診療情報管理士になってしまえば、ICDコードに意識が向くでしょうか。医事課でも診療情報管理士の資格を取得している人は、あまり指摘を受けないようです。
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- 診療情報管理士になればICDコードに意識が向くでしょうか?
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肝硬変(非代償性)の合併症に門脈圧亢進症があり、それに伴い胃食道静脈瘤出血が診られる。このことを踏まえて、事例のK922とK85$のそれぞれの診断群分類の定義テーブル手術の部分を比較してみましょう。
K922を選択した場合は、定義テーブルの手術の項目には、食道・胃静脈瘤硬化療法(内視鏡によるもの)、内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術があります。一方、K85$を選択した場合、定義テーブルの手術の項目には、食道・胃静脈瘤手術、食道静脈瘤手術(開腹)、腹腔鏡下食道静脈瘤手術(胃上部血行遮断術)が挙げられています。一般的に広く行われているのは、内視鏡下に行われるものです。
このことを考慮すると、DPCコーディングにおいて、あながちK922が不適切であるとは言えないのではないでしょうか。その際の病名は、上部消化管出血というところでしょうか。なんだかヘンテコですけどね。
K922、どんな病名が入っていたのでしょうね。器用に病名だけを変更したというところでしょうか。本来肝硬変の分類に落ちるはずが、食道、胃、十二指腸、他腸の炎症という分類になってしまった。起こり得ることではありますが、原因をきちんと突き止めておいた方がよいと思います。そしてDr.にも情報を戻して、次に同じような間違いが起きないよう対策を打っておきましょう。
ところで、余談ですが、この肝硬変の分類、定義テーブルの傷病名ICDコードに「他に分類される疾患における出血を伴う食道静脈瘤I983」がないのです。出血を伴わない食道静脈瘤I982、肝硬変K746、門脈圧亢進症K766があって、I983がない。おやっと思ったのですが、よく考えてみるとDPCの傷病名は、ICD-10(2003年版)により定義されるからなんですね。いよいよ来年、2013年版がDPCに導入されることになっています。
診療情報管理士のスクーリングに参加するにあたって、あの分厚いグリーンを手にします。価格も1,2,3巻そろえると2万円程になります。無駄にはできません。2013年版はコンパクトになって幾分手に取りやすくなりました。
学習を進めると、体系や分類ルールを理解します。そして3巻(索引表)を引いて1巻(内容例示表)で確認(2003年版では3巻を引いて2巻で確認)、この作業を繰り返していると疾病分類への意識が高まります。面倒でも数をこなすことで、たとえ同じ疾病でも何度も同じ作業を繰り返すことで疾病分類のレベルは上がり、記憶にも長くとどまることでしょう。その時意識は病名よりもICDコードに向いています。