大学卒業以来、保育士として保育園に勤務していますが、以前から興味を持っていた児童福祉施設への転職を真剣に考えています。
乳児から就学前の小さな子ども達の保育もとてもやりがいがあり充実した日々を送っています。
ここ数年で、虐待や様々な家庭の事情で施設で暮らす子ども達の現状を目の当たりにする機会があり、保育士としての自分の経験をいかして、養護施設で子ども達に貢献できたらと思うようになりました。
児童養護施設で勤務する上でのメリットやデメリット、保育所保育士との大きな違いなど、転職する際に知っておくべきこと、アドバイス等をいただければうれしいです。よろしくお願いします。
質問
保育所から児童福祉施設の保育士に転職するにあたってのアドバイスをお願いします8view
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回答
2件の回答
児童養護施設の仕事は、シフト勤務が基本となります。子ども達が生活する施設で24時間体制なので、もちろん夜勤もあります。このため、諸手当が付き、給料の手取りは保育所保育士よりもよくなります。
保育所保育士は就学前の子ども達の保育を行い、子どもの年齢層も0歳から5歳と幅広くはありません。児童養護施設は0歳から18歳までの児童が入所対象なので、幅広い年齢層の子ども達と接するのが特徴です。また、保育園のように、「同じ年齢の子どもの集団」ではないため、一人ひとりの成長発達、ニーズに応じたケアが求められ、幅広く対応できる能力が必要とされます。
基本的に、養護施設は子ども達が毎日生活する「家」であるので、保育士は「お母さん」または「お父さん」の役割を果たすとともに、専門的な「保育士」でもなくてはなりません。料理も洗濯も掃除も、子どものアクティビティも全てこなすことになるので、マルチタスクが求められます。同じ「保育士」という職業ですが、職務内容としてはかなり違いがあります。
私は、児童養護施設で働いていました。今は保育園に勤務しています。
私が勤務していたところは、0歳から18歳までの児童がいくつかのホームに分かれて保育士と一緒に生活してます。ひとつのホームには4~5人くらいの子どもがいて、年齢も様々です。保育士にはシフトがあり、シフト中はそのホームの中で子ども達と一緒に過ごします。私は職員用宿舎に住んでいたので、シフト以外の時間は自分の部屋で過ごしていました。近くに自宅がある職員は、通勤しています。
私の場合、シフト外の時間でも、同じ敷地内の宿舎だったこともあり、なかなか「自分の時間」を楽しむことができませんでした。私がオンとオフの切り替えが上手でなかったこともありますが、やはり、子ども達の声が聞こえてきたり、敷地内で会ったりすると、気にかけたり一緒に遊んだりしてしまいがちで、休みなのに休んだ気がしないことが多かったです。これは、完全に個人の問題ですが・・・・自宅通勤ではこういう悩みは発生しないと思います。
他にも、私の場合、養護施設で生活する子どもの実態をリアルに対面したことで、精神的にかなりの衝撃を受けました。あまりにもむごい家庭背景を知ることで、普通の家庭との大きな違いにショックを受け、何もできないもどかしさを感じたりして、うつ気味な状態になったこともあります。
でも、「育ての親」として子ども達と生活することは、自分の家族を持ったようで、うれしかったり楽しかったり、時には悩んだり・・・と、普通の「家族」が感じることを経験できたように思います。一緒に過ごす時間が長くなればなるほど情がわき、いつか訪れる別れを想像するだけで悲しくなったりもしました。
自分の家族を持つことを真剣に考え始めたとき、施設にいる子ども達も自分の家族もどちらも同じように大切にし、自分も自分らしく毎日過ごしていけるのかどうかと疑問を持ち始めました。真剣に向き合っていた仕事だから、結婚をして家族を持っても、今までと変わらず全身全霊で子ども達に接し続ける自信がもてなくなり、転職を決意しました。
転職先は私立保育園です。保育園の子ども達は、夕方になると親が迎えに来て、うれしそうに降園していきます。家に帰ると大好きな家族と一緒に過ごせるのです。そんな子ども達を家庭へと返すと、自分の1日の勤務が終わったと実感できます。一日の仕事を終え、愛おしそうにわが子を抱きしめる保護者を見ると、一日大切なお子さんお預かりし、無事にお返しできることにほっとすると共に、保護者も子どもにも貢献できるこの仕事にやりがいを感じます。このように終業時に感じる充実感は、施設保育士との大きな違いだと思います。
一方で養護施設の子ども達は、学校や幼稚園に行っても帰ってくるのは施設。子ども達が安全に安心して過ごすことができる場であることができるような、人的・物的環境をつくることが施設職員には求めれられます。子ども達への深い愛情があってこそ成り立つ職業だと思いますが、自分の精神状態を保つためにも、オンとオフが上手に切り替えられる人が適していると思います。