現在、泌尿器科歴4年。医師歴は7年になります。
半年ほど前の話になりますが、交通事故で重傷の方が救急車で運ばれてきました。骨折している部分が数ヶ所あり、また、下腹部をタイヤで轢かれたせいか、腎臓にも重傷な外傷がありました。
その事故の症例が運ばれてきた時は、ちょうど上司が出張中だったため、泌尿器科医は自分だけでした。しかし幸い、ありとあらゆる知識・技術を総動員して何とか無事に手術を乗り切ることができました。
それが、精神的な快感につながったのでしょうか、その後、救命救急部に所属し、急患対応をしたいと思うようになりました。
普段の業務内容は、人工透析の管理や尿管結石の破砕処置、膀胱鏡での各種検査、腎臓がん・膀胱がんに対する手術が主たるものです。時に、子宮脱や膀胱脱の修復手術をすることもあります。
しかし、当時の腎外傷は事故独特のもので、かなりのインパクトを受けました。いつもよりも、手術に対する緊張感がすごかったのを思い出します。
当院には、外科・内科・整形外科から救急救命医になったドクターはいるのですが、泌尿器科医からなった人はまだいません。
どなたか経験のある方、もしくは知人でなっている方がおられましたら、現況をお知らせいただけると助かります。
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- 泌尿器科勤務医ですが、救急1本に絞って専門性を高めたい。
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泌尿器科勤務医ですが、救急1本に絞って専門性を高めたい。28view
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回答
2件の回答
救急病院に勤めている泌尿器科専門医です。
自分は、あなたが救命救急医への道を進むのにはストップ派です。
というのは、自分も医師になって3~4年目に、とても救急部門での仕事に憧れた時期がありました。
当時の救急部の部長は何でも屋さんで、挿管・IVHのルート確保・胸腔ドレナージ手技・心タンポナーデ解除処置などあらゆる救急技術に長けており、「自分にもこのような技術が身に付けば、どんどん患者さんを救えるぞ!」と意気込んでいた時期がありました。
しかし、透析の管理や手術技術も含めて、泌尿器科領域の疾患の治療にも興味があったので、結局は今の泌尿器科の道に進むことに決めたのです。
進んだ直後はやはり救急技術のマルチな習得に未練が残りましたが、今となってみれば、「救急部から要請があった時に、十分に対応できる泌尿器科的な技術が身に付いていれば問題ない。」という思いに変わっています。
これは、非常に難しい問題と思います。
確かに、救急技術がマルチに身に付いていれば、院外で急患に出くわした時に、かっこよく対応ができますからね。普段から技術を復習していないと、なかなか自信を持って実行できません。
例えば、飛行機内で苦しんでいる人がいるとして、その人が心臓疾患が原因で息苦しい状態だとした場合、今の私には正確な判断・処置を行える自信がありません。
心筋梗塞?心タンポナーデ?すぐに注射処置や手術が必要?一番近い空港に着陸させる必要があるのか?それとも目的地まで飛行しても問題ないのか?もし心疾患ではなく呼吸器疾患による呼吸障害だったら?自然気胸?胸腔内にすぐに針を刺す必要があるのか?
など、色々な心配だらけです。
心臓や肺の近くに針を刺す行為なんて、普段からやっていないととても怖いですからね。
また、聴診器で心音や呼吸音を正確に聴取する必要もありますし、更に、機内に簡易心電計が常備されていた場合、その波形を正確に読み取り診断・判断を下す必要もあります。
正直私は、今となっては典型的な心筋梗塞や狭心症の波形ぐらいしか覚えていませんので、微妙な波形だった場合には、絶対に判断に苦慮すると思います。自信を持って「私は医者です」と手を挙げられるかどうか、実際にその時になってみないとわかりません。でも、自身が無くても、医師たるもの患者に何かしらの手は差し伸べるべきだと思いますがね。
こうゆう院外で急患に遭遇した時のことを考えてしまうと、「救命救急医の技術を身に付けたい」と思われるでしょうが、逆にこういう場面は、1年に何回ありますか?
私は医者になってこの20数年の間に、機内で2回だけ遭遇しました。
1回目は「頭痛・吐き気」、2回目は「腹痛・下痢」でした。1回目の時は、幸い対光反射や瞳孔異常はなく、また麻痺や痺れもなく事なきを得ました。そして、2回目の時は、嘔吐することなく、軽い胃腸炎だったと思われます。どちらも、緊急着陸はせずに済んだ病状でした。
以上まとめますと、現状の泌尿器科医のままでも、急患に対してやってあげられる治療は沢山あるということ。救命救急医でも、全てのジャンルの手術ができるわけではありませんからね。
救急部からの要請があった時に、対応できれば良いわけですよ。
ですので、まず「泌尿器科専門医」を目指しましょう!
それまでは、今の科の継続で良いと思いますよ。
そして、専門医を取ったあとに、まだ救急部でやりたいことがあれば、その後に転向しても遅くはないです。
しかし、例外として、「救急の初期治療を是非毎日やりたい!」ということであれば、来年にでも転向してもよいと思います。
民間病院の救命救急部で働いております、外科医です。
まず、現在のあなたの環境を伺いたいのですが、泌尿器科の診療内容としては、ご自身でおっしゃっていた内容以外に、前立腺関連疾患や腎移植手術というのがありますが、現段階において、泌尿器科分野ではどの分野が一番得意なのでしょうか?
救急に携わる者としては、当然ですが、頭部から末梢まであらゆる分野において初期治療ができる知識と技術が必要です。当然、夜間急患にも対応していかないといけませんので、それなりにやりがいはありますが、生半可な気持ちでは勤まりません。覚悟がないと結構大変ですよ。救命救急医の人数が充足していない病院であれば、患者の病状によっては、2~3日家に帰れない時もありますから。
そして、もう一つ伺いたいことがあります。
通常の泌尿器関連の疾患の治療は、今の現状の技術のままでストップしても大丈夫ですか?
救急に携わる医師の種類には2つあります。一つは、「純粋な救命救急医」として働くという方法です。もう一つは、通常の泌尿器科勤務をしながら、自分の担当の外傷が来た時だけ役割を担うという方法です。
私どもの病院では救命救急医は3名いまして、みんな外科医です。輪番制でその日フルに救急外来(救急車の対応を含む)を担当するかどうかを決めています。担当日以外は午前中は外科外来を行い、午後からは消化器系の癌などの手術を行っています。
よって、あなたがどちらのタイプを目指したいかですね。私どもも、骨折の患者が来れば、整形外科医を呼んで手術をしてもらっていますし、頭部疾患の患者が来れば、脳神経外科医を呼んで対応してもらっています。勿論、夜中の呼び出しでも同様です。まず、我々が患者を初見し、その後「トリアージ」で各科の専門医に振り分けていくシステムにしています。
もし、あなたが今後「純粋な救命救急医として仕事をしていきたい」と思っているのであれば、「日本救急医学会」や「日本臨床救急学会」「日本外傷学会」などの学会に入会したほうがよいでしょうし、また、可能なら「日本救急医学会救急科専門医」や「日本DMAT隊員」のライセンスの取得も目指したほうが本格的です。
一方、後者のパターンの選択であれば、今のままの業務スタイルで構いません。更に泌尿器科学を勉強し、手術のスキルを究めていくように頑張ればよいと思います。