手に職をつけ、医療に携わる仕事を探していたところ、「診療放射線技師」という仕事を見つけました。
私のイメージではレントゲン写真を撮ってくれる人という認識しかないのですが、どのような仕事を行っているのでしょうか?
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診療放射線技師とはどんな仕事をするの?57view
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私の職種『診療放射線技師』を人に紹介するとき、「病院でレントゲンを撮る仕事です」と言うと、たいていの人はなるほどと思ってくれます。たしかに病院内の業務は主にレントゲン撮影ですが、他にもいろいろな検査に携わっています。また意外にも、特に資格がなくても行える検査も、放射線技師の仕事として扱われている場合があります。そんな診療放射線技師の病院内での仕事を、いくつかご紹介したいと思います。
まず、診療放射線技師の主な仕事として、先述しました『レントゲン撮影(一般撮影)』があります。胸やお腹のレントゲンの他、整形外科では骨のレントゲン写真もよく撮影します。骨の写真は簡単そうに思えますが、骨は個々人の性別・年齢・体型などによりかなり大きさ・形状に差があり、一回できれいな写真を撮るためには、長年の技術と経験を必要とし、実はなかなかの職人技なのです。
次に、放射線科での検査として、『CT検査』を思いつく方も多いかと思います。CT検査は、原理はレントゲン撮影と同じですが、レントゲン撮影装置を体の周囲で高速回転させて撮影し、あとでコンピューターで処理し、スライスした輪切りのような画像を出すことができます。CT検査もレントゲンと同じく放射線が発生しますので、診療放射線技師の資格を持った技師と医師しか使用することはできません。
CTとよく似た装置に、『MRI』があります。形状はよく似ていて、患者さんにベッドに寝てもらい、大きな筒の中を出入りするものですが、その原理はまったく違います。MRIは、『核磁気共鳴装置』と言って、強力な磁石を用いて、人間の体の中にある磁場の方向を操作・検知することで体内の様子を知るという、非常に複雑な仕組みでできています。しかし、MRIは装置に磁石を使っているだけなので、実は操作するのに診療放射線技師の資格はいりません。それどころか、特になんの資格を持たなくても、使用する分にはまったく問題ありません。
MRIが放射線科で行われるのは、CTと形状が似ており検査方法に重なる部分が多いことと、出される画像がどちらも人体をスライスしたようなものであり、CT画像を見慣れている技師であればMRIの画像も読影しやすいことなどが理由としてあります。ただ、CTとMRIの画像は似て非なるもので、骨や血管、内臓や脂肪などの表示のされ方がかなり違ってきます。その時々の診療目的に応じて、医師がCT検査かMRI検査かを判断します。
CTと並んでもうひとつ放射線科でよく行われる検査では、『透視検査』があります。人間ドックや健診をされた方なら経験あるかと思いますが、バリウムを飲んでもらう胃透視の検査などがよく知られています。こちらもレントゲン撮影と同じ原理ですが、透視の名の通りリアルタイムで体内の様子が表示されるため、バリウムを飲んだあとの食道・胃の動きや、バリウムが消化器内を流れる様子などが、細かく観察できます。胃の他にも、腸の検査や、泌尿器系・婦人科系の検査にも、透視検査は欠かせません。
他にも放射線科の業務として、放射線治療・心臓カテーテル検査・RIなどありますが、総じて放射線科の機器は設備も投資も大規模になりがちで、大きな病院でなければできない検査も多々あります。
最後に、放射線科で行なっていたりいなかったりする微妙な立場の検査の『超音波(エコー)』をご紹介します。超音波検査は、体表から超音波を当て、その反響を検知して体内の様子を探る検査です。当然放射線は発生しませんし、使用するのに何の資格もいりません。超音波検査は、慣例的に放射線科で行われることがあります。特に規模の小さめの、昔ながらの病院ではよくみられるようです。しかし最近では、臨床検査技師が行うことも多く、徐々にこちらが主流になりつつあります。
このように超音波の検査は、放射線技師・臨床検査技師の両方に技術を持つ人が存在しますが、検査方法が非常に難しく、長い時間をかけての学習と経験が必要となります。検査自体はな資格でおこなうことが可能ですが、実践するには高度な知識と技術が求められる検査です。
このように、ひとこと診療放射線技師と言っても業務内容は多岐にわたります。
少しでも医師の診断の助けになるような、良い写真、わかりやすい検査結果を出せるように心掛け、研鑚の日々を送っています。