薬剤師2年目の転職はうまくいく!?辞めるリスクと成功する転職のポイント
薬剤師として調剤薬局や病院に勤務して2年目に入るとさまざまな理由から転職を考え出す人が増えてきます。他社へ入社した同期の友人などと話す機会などがあると周りが気になったり、思い描いていた社会人としてのイメージとのギャップにより転職を考え出す時期が2年目ともいえるでしょう。
ここでは「薬剤師2年目の転職では採用企業側からどうみられるかが不安」「2年目で年収アップなど希望条件での転職がかなうか疑問」など、2年目薬剤師が疑問・不安に思うことについて解説します(2年目薬剤師のQ&Aを先にチェックしたい方はこちら)。
薬剤師の転職市場は売り手市場から変化
これまでそもそも薬剤師の転職市場は売り手市場と言われていました。薬剤師の求人倍率は一般職の有効求人倍率よりは高いものの、ここ最近は薬剤師の有効求人倍率は低下しています。
理由のひとつは「登録者販売制度」の設立です。一般医薬品販売が薬剤師の資格がなくとも販売が可能になったことでドラッグストアでは薬剤師ではなく「登録者販売制度」に登録した従業員を中心にするケースが増えています。数年前の感覚で安易な転職を検討しているのであればいま一度市場動向と今後の市場変化について把握しておく必要があります。
この前提を踏まえて「薬剤師2年目の転職市場」を考えていきましょう。
薬剤師2年目の転職市場!2年目で転職する際の注意点
新卒での入社後、1年から3年未満の採用を「第二新卒」と呼びます。薬剤師2年目の採用についてもこの第二新卒に該当することになります。「新卒は3年で3割辞める」などというニュースもよく見かけますが、厚生労働省の新卒就職者の離職状況の統計でも、全職種のデータで3年後の離職率は約30%となっています。薬剤師における離職率も勤務先による違いはありますがやはり3年以内に辞める人も少なくありません。
新卒、第二新卒を含めた若手採用は組織の若返り、中長期的戦略として注目されており、薬剤師における2年目の転職でも同様に重視されており、積極採用する企業が多く存在しています。企業側からすれば新卒よりも手がかからず、30代よりも報酬が低く、経験が浅いことから経験したことのない仕事のやり方やシステムを柔軟に受け入れられるからです。
2年目を含む第二新卒の薬剤師は転職市場では受け入れられる傾向はありますが、やはり3年目以降の転職者と比べると内定のもらいやすさや求人の条件などは変わってくる点は注意しておかなければいけません。企業側からは「続かない人」「採用してもすぐ辞めてしまいそう」というような印象は持たれてしまうことは否定できません。転職回数の多さはやはりネガティブにとらえられてしまいます。薬剤師として2年目に転職すること自体は悪いことではないですが、その後はなるべく職場がコロコロ変わらないようにしっかりとした判断基準をもって転職に臨みましょう。
薬剤師が2年目で辞める理由とは?
新卒薬剤師が働きだして2年目に入り転職を考え出す理由はいくつかあります。
人間関係
薬剤師に限らず、転職理由として最も多い理由が人間関係によるものです。上司からの指示が曖昧であったり、パワハラまがいの発言をされたり、上司だけではなく同僚や先輩との人間関係の悪化などを理由として会社を辞めるという人は多くいます。人間関係に行き詰まったことで仕事が面白くなく、前向きな気持ちになれなくなることで辞めるという選択肢しかなくなってしまいます。2年目の薬剤師は「1年目はなんとか我慢したけど・・・」と感情が抑えきれなくなり転職に踏み出す人も多いです。
年収
薬剤師の勤務先となるドラッグストアや病院、企業などのによって初任給は異なります。ドラッグストアでは概ね30万円前後(年収約350万円~450万円)が相場ですが、病院勤務となる薬剤師の初任給は20万円~25万円(年収300万円~350万円)となります(参照:マイナビ薬剤師)。入社し、1年経過し、2年目に入るタイミングで年収に対しての不満が募る傾向も少なくないようです。結婚の早い地方都市などでは年齢的にも結婚を考え出すこともあるでしょう。年収アップを意図し転職を意識する人も多いようです。
仕事内容
就職活動を通じて企業研究、職場研究はするものの実際に入社すると「もっと新しい機会が与えられると思っていた」「イメージしていた仕事内容と違った」など実際の仕事内容とイメージとのギャップはよくあります。2年目の薬剤師は「1年目は研修のつもりで頑張ったがこのまま働き続けるのには疑問を感じる・・・」と転職に踏み切る人もいます。
薬剤師2年目で転職する際にオススメしたいポイント2つ
2年目で転職すると採用側からネガティブな印象を持たれることを懸念する人も多いでしょう。転職に失敗して年収ダウン、希望通りの勤務先からの内定が出ないのではないかという不安は実際のところどうなのでしょうか?ここではオススメしたいポイントをピックアップして2点挙げてみます。
年収アップなど条件を決めておく
転職理由に応じて年収アップ、残業時間、シフトなどの条件をあらかじめ決めておきましょう。完璧な条件の整った転職先を見つけるのは難しいかもしれませんが、譲れない部分や妥協できる部分をあらかじめ決めておくことも必要です。最終的には条件交渉を行うことも有効です。自分自身では交渉がしにくい場合はエージェントを介することでスムーズなやりとりと希望する雇用条件を獲得しやすくなります。冒頭で「その後はなるべく職場がコロコロ変わらないように」と書きましたが条件のミスマッチを回避してなるべく長く働けるようにしましょう。
ポジティブな退職理由を伝える
薬剤師2年目での転職は「第二新卒」扱いとはいえ、採用側からは「忍耐力が足らない」「同様にすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を与えてしまいます。払拭するためには退職の理由を前向きな理由に置き換える必要があります。「前職の退職理由を教えてください」という質問は年齢や業種に関係なく面接で聞かれる質問です。「人間関係が悪いことに嫌気がさした」ではなく「1年ドラッグストアで働いてみてやはり自分は病院薬剤師として活躍したいと思い早めのキャリアチェンジをしたかった」などという前向きな退職理由に置き換えることで印象は変わります。
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回答
4件の回答
シングルマザーの薬剤師です。
2年目に転職を考えたことがあり実際に2年目に転職サイトに登録して求人も見ていました。
正直な感想は転職サイトの利用はかなり自分の時間をもっていかれるいということ。
本気で転職情報を収集しだすとエージェントからの電話に対応したり日々結構なリソースをもっていかれる。
「在職しながら情報収集・・・」とかよく言いますが少しはそのあたりも考えたほうがいいかも。
製薬会社で採用面接を担当しています。
薬剤師2年目であれば第二新卒として採用するケースがあります。基本的に辞めるタイミングとしては早いですが、面接にくる子の中には非常に優秀な子もいますのでしゃくし定規に書類で落とすようなことはしていません。
退職理由として多いのは「結婚を考えていて勤務時間やシフトが定まらない仕事を考え直したい」「もともと研究職を目指していてどうしてもあきらめきれない」などでしょうか。生活上やむを得ない理由よりも、現職を通じて経験したことから湧き出た熱意を中心に話すことをおすすめします。
大手の調剤薬局で勤務していました。20代女です。現在は個人の調剤薬局で勤めています。
はっきり言って、大手だからいいなんてことはないですよ。結局はその店舗の管理薬剤師次第なところが多いです。
私も最初配属された店舗で、パートの薬剤師のおばさん達と合わなくて異動させてもらいました。管理薬剤師はいい人だったのですが、パートのおばさん達を抑えることが出来ていなくて。
次の店舗では管理薬剤師と合わなくて異動願いを出しました。なので、私は2年で3店舗経験しましたが、3店舗目は勤務がハードすぎてついていけず、3年目に転職しました。
大手のいいところは、異動できる店舗が多いという点でしょうか。あと、転勤の度に住宅補助は出してくれました。でも続けられませんでした。
転職活動をする時、転職の理由を聞かれましたが、「結婚を考えている人がいて、転勤が多い会社では働けなくなったので」と言ったら大丈夫でした。たぶん「人間関係が」とかネガティブな発言はだめなんだろうなとは思います。だから質問者様も、在宅をやりたいという理由は前向き発言でいいんじゃないでしょうか?なんか、これやりたいとかやる気を見せれば2年での転職もありだと思います。それに周りを見ていると、1年2年で辞めている人結構多いですしね。気にしなくていいと思います。
中規模の調剤薬局で管理薬剤師をしています、40代男です。
私もよく採用面接を行いますが、1年目、2年目で転職してくる子はよくいます。印象としては良くないですね。うちに来てもすぐ辞めてしまうのだろうなと思ってはいます。
しかし、そんなことも言っていられないので、ある程度のことをクリアしていれば採用しますが。そんな中でも、前の薬局はダメな薬局だったとか平然と言う方は、はじかせてもらっています。そういう人はどこの薬局に行っても同じだと思います。
質問者様も、質問内容に書かれていることは転職活動時に話さない方がいいです。
話すとすれば、在宅医療の勉強をしたいということを全面に押し出すべきだと思われます。
2年目での転職という事実は消すことができないので、せめてやる気を全面に出して転職活動をしてください。