住宅設計の仕事をしたいと思っています。建設業を行う会社で、住宅設計の仕事の流れはどんな感じですか。また、仕事をしていて最も大変だったことはありますか?
質問
建設業の住宅設計の仕事で最も大変だったことを教えて欲しい。101view
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回答
1件の回答
建設業(ハウスメーカ)で住宅の設計、施工管理をしている30代男性です。
これまで直面した最大の困難、というよりは難しかった物件は、準防火地域、3階建て、スキップフロア、という物件です。
建築の知識のない方には何のことやら、といった感じかと思いますが、要するに、普通の家より、火事に強くして、地震に強くして、1階と2階の間に部屋を作る(2階と3階の間にも部屋を設けました。)ということです。
まず、3階建てのため、構造計算が必要になります。この構造計算というものは、とても厳しくできており、通常の家の1.5倍は地震に強くする必要が出てきます。しかし、スキップフロア(1階と2階に部屋を設けること)というものは、基本的に地震に対しては不利な構造になります。そのため、構造計算を専門で行う設計士と相談し、窓を小さくしたり、位置を変えたり、扉の場所を変えたりといろいろな調整が必要となりました。
もちろんお客さんがいる工事なので、こちらの都合だけで行うことはできません。その都度、お客さんに相談して承認を得ながらやっていきました。それでも、地震に対する耐力が足りず、階段のまわりに、単価の高い部材を貼り何とか地震耐力が足りるように工夫しました。
そして、地震耐力をクリアしたら、今度は火事に強くしなければなりません。そのために、通常より分厚い内壁材を使用する必要がありました。しかし、通常より分厚い内壁材を使用するということは、内壁に取り付ける枠材全て、それに合わせてオーダーする必要がでてきます。いつもなら、何も考えずに発注している部材を一つ一つ確認しながら発注したのですごく時間がかかりました。しかも、スキップフロアのため、普通なら内壁材をカットしなくても貼れる所が、一つ一つカットして貼っていかねばならずなかなか工事が進まず、工期がかなり延びました。お客さんに会うたびに工期が延びることを説明していました。その都度、仕方ないね、と許してくれるお客さんは神様のように思いました。
設計や工事監理でこれだけ大変な物件ですから、実際に工事をする大工はもっと大変です。ぼとぼと文句を言っているところをなだめて、何とか完工することが出来ました。
ちなみに、3階建てが初めてであったため、市役所に提出する写真が足りずに、念のため撮りためていた写真をとりあえず印刷して、市役所と協議し、なんとか完了済を出してもらうような状態でした。
しかし、引渡しのときお客さんには非常に喜んでもらえましたし、他の設計士さんからはこの物件の工事が出来れば、大したものだ。3階建て木造住宅でもかなり難しい物件をやったものだとほめられました。
かなり苦労しましたが、苦労した分、自信がつきました。ただ、正直2度と同じ物件はやりたくないとは思います。