医療事務の仕事って?どんな苦労がありましたか。342view

医療事務の勉強をしている者です。
実際に医療事務の仕事をされている方の体験談を聞きたいです。仕事内容や良い話ばかりでなく、仕事上の苦労話も教えて欲しいです。

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1件の回答

  1. borstlap_2a 2016/12/04 11:37

    当時私は医療事務の派遣社員として、ある病院の受付と会計を担当していました。
    そこはいわゆる地域密着型の個人の救急病院で、余程のことがない限り搬送依頼を断るということがなく、様々な患者さんが運ばれてきて治療を受けたり、入院に至ったりすることがよくありました。
    そうした患者さんの中には時に住所不定な方や所持金が全くない方も含まれています。
    患者さんとの会話の中から情報をいち早く引き出し、院内ケースワーカーに繋げて然るべき方法を考える(親族を探して連絡する、生活保護の申請をするなど)のも、受付兼会計である私の仕事でした。
    医療系のドラマを見てもそうですが、主役はいつも医師や看護師です。
    主役の行為を現金化するのが、裏方である我々事務スタッフの仕事である、というのが事務長の口癖でした。
    だから、運ばれてきた患者さんに支払い能力があるかどうかをまずは疑ってかかれ、危ない時は早めに対処しろと常々言われておりました。
    それでも、生活保護を受けられる人はまだマシでした。
    僅かな年金収入があるために保護対象になれないご高齢の患者さんや、病気やケガで働けずに収入の途絶えた自営業者の患者さんなど、健康保険と福祉の隙間に落ちてしまう患者さんの方がはるかに事態は深刻なのでした。

    そして、私がその病院に派遣されていた期間の最大のトラブルは、まさにそうした入院患者さんとの間で起こったことだったのです。

    最初の兆候は、入院費の請求書を届けに行ったときにもう現れていました。
    そこの病院では10日・20日・月末に請求書をお渡しし、入金していただくシステムなのですが、患者さんは急なことで持ち合わせが足りないので、外出許可が出るまで待って欲しいとおっしゃるのです。元々が一人暮らしの個人事業者の方で近くにご親戚もいらっしゃらず、入院申込書の保証人の欄もまだ埋まっていませんでした。
    保証人を立てることが困難な患者さんの場合は50000円の保証金をお預かりするケースもあります。が、今回請求した入院費が払えないとなるとそれも現時点では難しいでしょう。
    なんとなく嫌な感じはしたものの、病状を考えると(出血性胃潰瘍)無理強いすることも出来ません。
    事務長には簡単に状況を報告し、ケースワーカーと相談の上で、とりあえず様子を見ることになりました。

    10日後の次の請求日、病状はまだ安定していませんでした。この時点で累積した入院費は既に10万を超えていました。
    さすがに事務長は渋い顔をし始め、外出許可がいつ出るのかを主治医に確認するよう命じられました。(事務長はドクターの期限を損ねそうな話はすべて現場の人間にさせるのです)
    主治医に何故そんなことを訊くのかと問われ、入院費の関係で…と答えると、事務方は金の話ばかりだなぁと盛大な溜息をつかれました。
    あんた達が金の話ばかりするのがストレスで治りが悪いんじゃないの?とも。それは冗談半分だったのですが、自分でもそうかもしれないと思っていたので結構堪えました。

    やっと外出許可がおりたのは、それから一週間後でした。入院費の合計金額は20万超になっていました。
    今は違うかもしれませんが、当時は高額療養費の払い戻しがあるにしても、一度は全額患者さんが負担して医療機関に支払うのが通常のやり方でした。
    事務長も立ち合いのもと話し合いがもたれ、翌日職員同行で外出することとなりました。
    患者さんはご自分の車で病院に来ていて駐車場に置いたたままになっているのですが、体調面その他で万が一のことを考え、男性ケースワーカーが運転する病院の車で行くということで話がまとまりました。一括入金はどう考えても無理でしょう。分割でお支払いいただくにしても、最初にどれくらい回収出来るかはなんとも言えないね、などという話をしながら、その日の仕事を終えたのです。

    翌朝、いつもより少し早く出勤した私が目にしたのは、病院の駐車場の、昨夜まであの患者さんの車が停まっていた場所が空っぽになっている光景でした。
    咄嗟に頭に浮かんだのは、もう出かけちゃったのかな?でした。でも、それは一種の現実逃避だったのだと思います。まだ銀行は開いていないし、ケースワーカーも出勤してきていません。昨日きちんと話し合い、念押しをしたにもかかわらず、一人で出かけたのだとしたらそれが意味するのは…。
    病室へ走ると案の定ベッドはもぬけの殻でした。ナースステーションに向かう足が震えているのがわかりました。
    患者さんの姿が見えないと伝えると、一瞬その場が凍りつきました。看護師長の指示で何人かのナースが病棟内の確認に走ります。定時の巡回では特に変わったことはなかったそうです。

    事務所に戻ると出勤してきたケースワーカーが顔色を変えていました。彼も車がなくなっていることに気付いたのです。
    ナースステーションから連絡が入りました。予想通り病棟のどこにもいないとのことです。
    程なく事務長も出勤してきてケースワーカーと共に患者さんの自宅を確かめに行きましたが,勿論いるはずもなく、戻ってきた様子も無かったとのことでした。
    それきり患者さんの行方はわからなくなってしまいました。20数万の入院費は未収金として残り、私もケースワーカーも詰めが甘いと、事務長から随分叱責されました。

    医療事務の仕事を離れて何年かたちますが、今でもあの患者さんのこと思い出すことがあります。
    治療途中でいなくなってしまったので、あとの体調は大丈夫だったのか、それだけが今も気がかりです。

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