今回は製薬会社について1日の業務の流れの一例を教えてください。営業職・研究職について教えて欲しいです。
質問
製薬会社の社員(営業職・研究職)の1日の流れについて512view
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回答
3件の回答
研究職と研究補助職で1つずつ例を挙げてみます。
■製薬会社の社員の基本的な、大卒の研究職の1日の仕事(合成研究)
8:40-9:00 出社:昨日の研究内容のふりかえりや本日の実験内容等を考えたり、メールのチェックを行います。
9:00-9:30 始業:朝のミーティングで、上司に各研究員が昨日の実験結果を報告します。
9:30-10:00 実験開始:実験補助職の人に本日行う実験内容および操作を指示します。
10:00-11:00 薬理の研究員から動物実験のデータ(動物実験での化合物の有効性や血中濃度の変異などのデータ)を受け取り解析する。この多くの場合、あまりよい結果が出ていないことが多くありますので、化合物の構造の基本骨格を変えずに、置換基や複素環などを変えた化合物についても検討するかどうかなど、今後の研究の方向性などを考えます。
11:00-12:00 研究補助職の人から反応の進行状況などの報告を受けます。
12:00-13:00 昼食
13:00-16:00 合成技術に関する文献を読んだり、数ヶ月に1回、社長や取締役を招いて研究報告会を行うので、その発表資料を作成します。また、多くの製薬会社で1週間の研究をまとめた週報を上司に提出する必要がありますので、週報のためのデータのまとめや解析を行います。その他、若い研究員への指導を行います。特に企業は労災をとても嫌いますので、これからの実験で使用する溶剤や薬剤の安全性などを調べたりするのも、業務の1つと言えます。
16:00-18:00 実験が終了し、研究補助職の人に実験のあと片付けの指示や明日の実験の内容についてその実験の目的や操作方法等を説明します。
18:00 実験補助職の人が退社します。研究員は薬理の研究員に合成した化合物をわたし動物実験などを依頼します。
18:00-19:30 多くの製薬会社の研究員は、週3-4回、自主的に勉強会を実施します。勉強会の内容は最新の技術文献の紹介等などが多いです。多くの製薬会社では、この時間帯はあくまで研究員の自発的な行動とみなされ、業務とはみなされなく、残業時間に、この時間帯を含めることは許されていないようです。
19:30-21:00 薬理実験で得られたデータなどを皆に紹介し、明日以降の研究の方向性などを決定するためのミーティングを上司とともに行います。
21:30-22:00 ミィーティングなどで受けた意見などを考慮して、明日以降の実験内容を考えます。
22:00 研究室に鍵をかけて帰宅します。
■製薬会社の社員の基本的な、高卒の研究補助職の1日の仕事
8:40-9:00 出社:本日の実験内容の確認を行ったり、メールのチェックを行います。
9:00-9:30 始業:朝のミーティング、各研究員の報告内容などを聞きます。
9:30-10:00 実験開始:研究員の指示により、実験機器の設置や実験操作を行います。
10:00-11:00 実験について目視等で反応が順調に進んでいることを確認します。
11:00-12:00 実験の進行状況について研究員に報告を行います。
12:00-13:00 昼食
13:00ー16:00 実験についてさらに反応が順調に進んでいることなどを確認します。
16:00-17:00 実験終了:実験機器のあと片付けや機器を洗浄したりします。
17:00-18:00 実験で得られた化合物を、研究員に渡します。
18:00 明日の実験の準備などを行い、帰宅します。
以上が、製薬会社での、1日の基本的な仕事内容になります。
研究員は、研究発表会の前には、研究所長の前で、予行のリハーサルの発表などを行うことがあります。研究職は、例え管理職になろうとも、常に文献を読む、学会に参加するなどして、勉強をして、最新の豊富な知識を持ったいることが必要です。
また、豊富な知識を持っているだけでなく、ものごとを多面的に考えることができることや知識の応用力などが、問題解決のブレイクスルーになることが多々ありますので、このような能力も身につけましょう。
また今回は病気に有効な化合物の合成研究の研究員の1日の業務内容を紹介しましたが、薬理や製剤の分野での、研究職の場合、合成研究と比較して残業も少なく早く帰宅できるケースが多いです。
営業職に関してはここにも似たようなスレッドありましたね。
「MRの1日のスケジュールを教えて下さい」
http://www.tensyoku-station.jp/119934/
製薬会社の営業職の社員の業務について、イメージしやすいように、1日の基本的な仕事内容を説明します。一例としてご参考ください。
9:00-9:30 医薬品卸会社A社を訪問、自社製品の価格交渉などを行いました。
10:30-10:45 病院Aを訪問し、医師Aに、新薬の紹介などを行いました。
11:30-11:45 病院Bを訪問し、医師Bに自社製品の周辺情報を提供したり、頼まれていた文献などを渡しました。
12:00-13:00 昼食・移動
13:00-14:00 医薬品卸会社B社を訪問、自社製品の紹介などを行いました。
14:30-14:45 病院Cを訪問、医師Cに自社製品を採用したお礼をしました。
15:30-15:45 病院Dを訪問、自社製品の安全性情報などの提供を行いました。
16:30-17:00 Aグループ薬局の販売部長と面会し、各店舗で、自社製品を販売するための打ち合わせを行いました。
17:00-19:30 調剤薬局、病院、クリニックなど5件を訪問し、自社製品の紹介や販売を行いました。
20:00 帰宅し、メールのチェック及び日報を作成し、会社に送信し、明日の仕事の準備をして、1日の仕事が終了しました。
以上が、製薬会社の営業職の1日の業務になります。
営業所に出社しない場合、つまり病院などに直行、病院から直帰することなどがかなり多いです。仕事のできる営業職の社員は、1日に15件ほど、病院、薬局、医薬卸会社を訪問する人もいます。ただし地方の営業所の営業職だと移動にかなり時間がかかりますので、上記の半分の7件程度、病院、薬局、医薬卸会社などを訪問できれば十分です。
病院の医師は基本的に非常に忙しく面会時間が長くならないように用件のみを簡潔に済ませることを心がけます。医師によっては3分間の時間を作るのも忙しいという方も多いので、面会時間が短ければ短いほど喜ばれます。薬局のグループ会社の場合は、その全店舗で製品をおいてもらうように社長や販売部長など地位の高い人と直接、交渉をすることもあります。
また、病院の規模の大小や自社製品の購入量などで、医師などへの対応を変えるのではなく、どの医師に対しても丁寧に接します。医師は横のつながりが強く、医師同士で情報交換をしますので良い評価や印象を与えればその医師のネットワークに乗って良い評判が他の多くの医師にも伝わっていくのです。
その他、営業所に出社したときには、上司に、医薬卸会社との製品の価格交渉をしたり、学術部へ医師に提供するための技術文献の依頼を行ったり、営業用の資料の作成などを行ったりします。また自社製品の周辺技術をよく理解するために関連する技術分野の文献を読んだり学会に参加することも必要です。とにかく、忙しい製薬会社の営業職ですが、評価もそれなりに高く、20歳代で年収700-800万円ということも珍しくありません。他の職種より、多く働く分、収入もとても高いのです。