食品会社に就職したいと思っております。しかし、ここ最近色々なクレームや事件が起きており、就職するのを少しためらうようになりました。一番多いクレームはどんなものですか?びっくりしたクレームはどのようなものですか?大体どのようにクレームを処理しますか?
質問
食品会社のクレーム処理82view
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4件の回答
混入のクレームはどうしても発生してしまうものです。早めにお怒りを解いていただくことに注力すれば、そこまで怖いものではありません。代表的な対応としては、
1.対応者がまずは不快になったことに対して丁寧に謝罪し、「そのときの状況」「包装袋に記載されている製造所固有番号」などの情報を確認
2.混入した異物を調べるため、現物と商品ともども保管するようにお願いをする
3.近くであれば、担当エリアの営業の人間が、遠くて派遣できない場合は着払いで現物と商品を送っていただく
4.異物が到着の連絡と、鑑定と原因調査のために時間がかかることをお詫びする
5.お詫び状とお詫びの商品を送付
6.鑑定の結果のご報告。書類の送付。内容によってお詫びの品あるいは治療費などをお送りする。
会社によってはこの中のいくつかの対応が無いかもしれません。最近ではSNSやブログで恐ろしい勢いで情報が拡散しますので、誤った対応をすることは食品メーカーにとって命取りになってしまいます。かといって、クレーマーに屈したとしてもその対応が社会に出てしまった時にネガティブなイメージとなってやはりメーカーの損害となります。
難しいですが、これは食品メーカーだけの問題じゃないかもしれませんね。
面白いといったらなんですが、海苔屋に勤めていたときに入ったクレームを書かせていただきますと、
1.『あんたん所の海苔は海苔じゃない。全く違う海藻を使って海苔に仕立て上げているんだ!』
とすごい剣幕で電話で怒鳴り込んできた方。結局回収してみたけれども普通の海苔でした。安いクラスの海苔で少し色素が薄いものでしたが、100%海苔でした。説明はしましたが、聞き入れなかったのでしょうがないので返品交換しました。
2.『ゴキブリが入っていた!お宅の製品はおかしい!』
調査のためお伺いして、回収して調査会社に鑑定をお願いしました。すると、最近有名になったオオグソクムシの子供だったんです。丁寧にオオグソクムシについてご説明をして、海産物なのでどうしても海のものが混ざってしまうという事をご理解いただきました。
海苔などの海産物には、袋に『海産物ですので、どうしても海の生物が付着することがあります』といういわゆる『エクスキューズ』が書かれております。ひょっとするとこれら海の生物によっては甲殻類などのアレルギー反応を起こしてしまう事も考えられますし、海産物業者ではとりきれないものです。ある意味、牛肉のO-157や鶏肉のカンピロバクター、豚肉のF型肝炎のようにどうしても入り込んでしまう(とは言ってもそこまで危険な因子ではありませんが)ものなので、どうしてもクレームが発生してしまいますね。
虫のクレームの場合は、少々厄介です。実は家庭にもたくさんの虫が隠れています。ゴキブリは皆さんも知っていらっしゃるでしょうが、カツオブシムシやコクゾウムシ、チャタテムシやノシメマダラメイガなどが実は潜んでいます。
カツオブシムシとノシメマダラメイガは何でも食べることが出来、水が無い場所でも生きていける非常に強い虫です。特に、穿孔力と言ってアゴの力が強く物の中に潜る力が非常に強いので、ややもするとビニール袋に穴をあけて中にスイスイと進んでしまいます。
個別にピロー包装と言ったビニール袋で包んであるお菓子が、家の引き出しやお菓子入れの中に眠っていたりしますが、こういう時に侵入されてしまいます。こうなってしまうと、食品メーカーで混入したのか家で混入したのかわかりません。
また、コクゾウムシは米の害虫としている虫で、これもよく見かけられます。チャタテムシも同様でダニと並んでたくさん隠れています。最近は、ダニと同じように室内のアレルゲンとして注目されているようです。小麦粉を扱う食品メーカーでよく侵入しますが、家の中にもいるものです。
このように、家の中に隠れている虫の場合は商品の口をあけてからしっかりと閉じていないと中にどんどん侵入してしまいます。商品の口を開けてから時間が経ってしまうと、食品メーカーで入ったか家で入ったのか実は全くわかりません。
あとは会社の方針となるのでしょうが、外装を丹念に調べて穿孔の跡を発見した場合は家庭での侵入であるとお伝えする場合が考えられます。また、賞味期限がピロー包装のビニールに記載されていない場合は、購入時期がわからないために交換を一応打診する形にするかもしれません。
どちらにしろ、虫を見かけると非常に気分的に嫌な思いをしてしまうので、その後の対応が非常に微妙になってきます。今までは怒らせないのが正しい対応とされてきましたが、最近では悪質なケースも増えてきていますので穏便な対処だけが正しいかどうかは本当に企業ごとに分かれるのが多いですね。
クレームはスーパーやコンビニほどはひどくないのではないかと思います。やはり、直接消費者と向かい合う小売店の方がお話を聞くとクレームの数は多いように思います。
ただ、異物混入はどうしても起こりますね。髪の毛や虫、金属片などがどうしても年に数回クレームとして挙がってきます。最近では、全面が均一で淡色の商品の場合は、虫や異物の色の差が激しいのでカメラを使った識別センサーを使って自動で弾くことが出来ます。ものによっては、形状が違うものを弾くこともできます。ある程度の売り上げがある食品メーカーなら、当然のように入れております。
しかしながら、毎日生産する食品の量は膨大です。センサーによって弾き出すといっても100%ではありません。科学を少しでもかじったことがある人ならば、100%の物事がこの世にはないことを知っています。やはり、どうしてもセンサーの目を潜り抜けてしまう異物が存在します。
異物が入らないように細心の注意を食品メーカーのサイドでもしております。ホチキスは使わない(紙に穴をあけて入れ込むような特殊な器具を使います)、輪ゴムを通常の黄土色から視認しやすい赤や緑に変える、虫の侵入を防ぐため紫外線が出る蛍光灯をやめて黄色のナトリウム灯に変えたりしています。あとは、カッターや筆記用具を使う場所を決めておく、数を必ず数える、決まった人しか使わないなど決めております。
後、段ボールは曲者ですね。段ボールはゴキブリなどが巣を作りやすく、小さいうちに段ボールの波打った構造のところに入り込んだり、卵を産み付けたりして、生産ラインで段ボールを使う時に侵入してしまいます。基本的には段ボールを入れる所は汚染ラインとして区別していますが、使わないわけにはいかないので日々戦いとなります。
どうしても異物のクレームだけは0にはできないのが実情ですね。