M&Aが行なわれる際に、人事が行う業務はどのようなものがありますか?
現在ある会社の人事部で福利厚生部の係長として勤務していますが、
今度、大きな企業に買収されることになりそうで、自分のスキルが及ばなかったり買収の際に自分の席があるかも分からないので、転職も考えなければいけないかなと思い始めているところです。
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M&Aの際の福利厚生部はかなり重要な役割を担うことになります。
人事のデューデリジェンスの際には、買収する側の給与福利厚生部が主導権を握って2社の社員規程と福利厚生プログラム、そして給与とジョブグレードの比較をします。その時のカウンターパートナーが買収される側の同等部署になりますから、質問者さまの部署が買収前に特に汗をかいて色んなデータを出す係になりますね。係長さんでしたら、上から言われるデータを期限内までにせっせと出す作業が予想されます。
社員規程と福利厚生プログラム内容の提供は比較的簡単ですが、もし先方が外資で御社が内資の場合、内容は英語で出さねければならないと思っていた方が良いと思います。先方のフォーマット自体英語で来るでしょうね。先方は、最終判断を仰ぐのに海外にその資料を出したり担当者が内容を解説したりしますから、資料は初めから英語になります。
で、いささか面倒なものは、対象社員のデータかなと思います。グレードマッチング(給与グレードや職責グレードの対比)を行なうのに必要なデータですが、スキームが似ていれば比較的簡単ですが、先方はブロードバンド制だがこちらは年齢等級制度だったりすれば、比較の際に御社の職務記述書やグレードの説明をしていかなければいけません。
ただ、係長さんという役職から察して、階層がしっかりある大きな企業にお見受けしますので、実際の比較に於いて買収条件の落としどころを議論するのは本部長とか部長とか上の方の方でしょうから、そこまで大変な仕事はないように思えます。
まったく同じ規程や福利厚生プログラムなわけがないので、多少落ちるところも出てくるのが現実ですから、対社員にどう説明するかをとことん考えるのがM&Aでは一番悩めるところです。が、そこは上の方に任せられると思います。
あとは、グレードなどの説明をどのレベルの実務担当者がさせられるかによります。課長さんでしょうか、それとも部長さんができそうですかね?会社の規模と実務担当がどれくらい説明に駆り出されるかで忙しさとスキルレベルは変わってきます。
で、買収契約が締結されいよいよ統合の日が近づいてきますと、社員一人ひとりのグレード等級の細かいすり合わせ作業が出てきます。先方が出してきた内容が実際「Aさんが行なっている内容より一段階レベル感が低いので給与は同じで職務グレードは上げるべきだ」とか、結構細かい話を詰めていく必要があります。ここは、事業部人事がいれば、その方が行なう内容ですが、事業部制でないのなら、給与福利厚生部のマネジャークラスが話し合いの窓口になると思われます。その方の右腕となって詰め作業をするのが質問者さまの役割かなと思います。
あとは、社員説明会の準備や、M&Aの手法によって、例えば事業譲渡という形態がとられれば、おのずと御社での退職手続きと先方の入社手続きを踏まねばならないので、必要に応じた処理を粛々と進めることになります。例えば健康保険組合だって、こちらのものから脱退して先方のものに入る手続きをすることにもなりますので、通常の退職時に御社の福利厚生部が担当する事柄をやることになります。とにかくバタバタと目まぐるしいので、2社の人事部員総出で片づけていくことになります。
M&Aの手法でマージャーを選択した場合、数年かけて社員規程やプログラムを統合していくことになり、その場合は長期スパンで度重なる社員説明会や規程の統廃合をしていくので給与福利厚生部の力技が必要になってきます。
と、色々書きましたが、M&Aの場合、大抵そのままの人数や状態をとりあえず移すと思うので、質問者さまのポジションは大丈夫な気がします。本部長とか社長とか、席がとても限られているポジションはもちろん怪しいですが、係長クラスなら引き受けるのではないでしょうか。
ただ、おっしゃるように、買収後の人員配置を人事部長さんがされるときに、向こうの会社で求められるスキルがどのような内容でどれくらい高度なものか分からない部分もあると思うので、質問者さまが居心地が悪いと感じることもあるかもしれませんよね。なので、一応先を見据えて職務経歴書をアップデートしておいたり、転職の良い話があれば面接を一応受けてみるとか、両股をかけておくのもいいかもしれません。