産業機械メーカーの輸出貿易事務に携わることになりました。
貿易業務については一通り勉強したのですが、実務はどんなものか、いまいち想像が出来ません。
そこで自社製品を海外輸出する実務で苦労したこと、注意することなどあれば教えていただきたいです。宜しくお願い致します。
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産業機械メーカーの輸出貿易業務の仕事内容を教えてください8view
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1件の回答
その産業機械メーカーでどのようなものを取り扱っているかによって分かれると思いますが、ざっとした分類では、
①据え置きの生産機械の輸出業務
②要素部品/部材の輸出業務
によって違うと思います。
①生産機械の輸出。これは海外の工場で使用する産業機械の輸出業務になります。この業務で特に念頭にいれなければならないのは、決められた納期に、輸出時の検査に合格した状態のままで、顧客の納得のいく価格で納品することです。
単純に貿易事務書類を作成するだけの仕事というのは分業化された大手企業にしかはないと思います。
決められた納期というのは、顧客の工場の生産スケジュールに遅延を与えない納期です。だいたいは顧客指定の納期に納めさえすれば良いのですが、万が一遅れて顧客の生産計画に遅れが出た場合は、大きな問題となります。かといって早めに納品しても顧客工場に受け入れてもらえなければ港での保管料が発生し、自社に請求が来ます。こういった事を回避するには、輸出手段の手配に細心の注意を図らねばなりません。
輸出時の検査に合格した状態のまま納める。これも苦労します。全行程に付き添って監視しながら納品するなんていうのは不可能なので、だいたいは保険を掛けます。保険を掛ければ安心か、というわけでもなく、実際に機械が破損し、顧客が受け入れに難色を示してしまったら機械を再送しなれければなりませんが、この段階で納期は遅れ、生産計画にしわ寄せがいくので非常に困った状態に陥ります。ですので、無事に検収を挙げてもらうまではすごいストレスを感じるかもしれません。また、引き取り拒否を受けた製品は回収しなければなりません。保管料が発生するケースもありますので、手際よく、そして早急に輸入処理をして戻さないと保管料がどんどん加算されていきます。まさに時間との勝負です。
そして、最終的にすべての作業が一通りうまくいったあとは事後処理をしなければなりません。最終的にその受注が得た利益は?この事故の請求はだれに?など検討します。何も起こらないことが一番ですが、絶対に問題が発生すると考えて業務に取り組んだほうが身のためです。
顧客の納得のいく価格で。国内完結の取引でも運送料は重要な部分ですが海外輸出となると輸送額が跳ね上がる産業機械もあり、顧客に提示する見積もりを作成する営業の頭を悩ませる部分となります。見積もり作成の段階で営業の方から輸出費用が求められる場合が度々ありますので、ただ輸出業務に携わるだけではなく、受注に漕ぎ着ける価格を検討するという視点も頭に入れておくといいでしょう。
②産業機械メーカーの要素部品/部材の輸出業務
定期的な部品の海外輸出について説明します。定期的な部材輸出は、初回受注のときに交わされた貿易条件によって力の入れ具合が変わります。輸出費用が受注益に大きな影響を与える取引は、注文を受ける度に利益率を確認するので為替相場で売り買いをしているような感覚になることもあります。
日本国内で輸出手配をした後でも、問題が発生することがあります。輸出相手国の受け入れ環境の変化がその大きな一因で、税関で止まってしまい客先に納品できないことがあります。輸出する製品の性質が面倒なもの、液体や管理令に引っかかるものなどは特に注意が必要です。
また、こういった定期的な部材の納期も厳格なこと多いです。取引先が在庫を圧縮したいという要望で無茶苦茶な納期を提示してくることがあると思いますが、そこは毅然と対応することが大事です。
最後に、輸出入に定額というものはありません。航空便であれ、船便であれ、原油価格と為替相場の変動によって請求金額に波があります。またどの国籍の業者にハンドリングを依頼するかによっても価格は変わります。輸出先の国が施行する関税障壁もありますし、輸出する製品が貿易管理令に触れるか、その関税額は幾らか、など調べなければいけない事は多いです。そしてそれらは大体日本語では説明されていない上、専門用語がほとんどなので外国語に抵抗があるうちはつらいかもしれません。一度輸出実績が取れた製品であればルーチンワーク化して簡単に処理できるかもしれませんが、新たな関税障壁が施行されていることもありますので都度チェックする習慣を持つようにするとリスク回避に繋がると思います。
長々と書きましたが、やりがいはありますので、臆せず頑張って下さい。