転職活動をしていて気づいたのですが、最近ではどの業界もグローバル化が本当に顕著です。今人材派遣の仕事をしている私ですら、外国人への対応や多言語対応を求められるようになりましたので、やはり今の時代株式会社は海外との関わりなくしては成立しない世の中になったのだなと実感しました。メーカーはもちろん、サービス業まで海外進出を求められているようです。しかし、どういうわけか印刷会社に関しては、それがあまり見られないように思います。大手二社はそれなりの対応をしているようではありますが、それも印刷ではなく他の部門による海外展開のように思います。私の勘違いなのでしょうか。それとも、印刷会社が海外に出にくい理由があるのでしょうか。事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。
質問
印刷会社の海外展開事情341view
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4件の回答
大手は確かにグローバル化に対応してるね。中小には無理だし、そうする意味もないかもしれない。意外かもしれないけど、印刷に限っては海外に出る必要もないのかもしれない。印刷物を作るのって、発注者と受注者の間でかなりのコミュニケーションが必要なんですよ。地域に根差した営業ができないと、仕事にならないということ。だから、その土地の仕事はその土地の会社がやるのが一番効率がいいんだ。これは実は日本国内でも言えることだよ。印刷の営業マンって、ほとんどが地域密着型のルートセールスなんです。そういう営業マンはどういう動きをしているかっていうと、マメにお客さんを訪問して、仕事以外にもいろいろな話をして、一年を通じて必要な印刷物をそれぞれの時期に受注するわけ。もし新規の大型案件があったりしたら、それこそ何回も打ち合わせが必要になる。だから国内でも最大手二社が強烈な力を持っていたとしても、地域に根差した星の数ほどの小規模な印刷会社が潰れず存在しているわけ。海外で印刷をやろうと思うと、やっぱり営業から製造まで全てを現地で行えなければならない。グローバル化と言っても、印刷に限っては結局やることは変わらないということ。例えば日本の印刷物を海外で刷ろうと思っても、納期ギリギリまで臨機応変に対応しないといけないんだからサービスは悪くなるに決まってる。結局はそれが克服できない限りは、少なくとも海外から逆輸入するパターンは成立しないだろうね。
海外で成功しようとしたら、やっぱり印刷以外の分野じゃないですか?私の勤め先でも海外にDTP専門の子会社を作って、国内の仕事でもそこにバンバン外注していますよ。自画自賛のようですが、この事業は胸を張って成功例と言えますよ。新興国の人たちは、アナログの技術は大したことありませんけどパソコンを使うのは結構得意な人が多いんです。ですから低賃金で良質なDTPオペレーターが募集すれば思いの他たくさん集まるものです。そういった人たちは比較的若く高い教育を受けていますので、日本のオペレーターと比べても引けを取りません。それどころか、やはり家庭環境が厳しい人が多いので、仕事に対する意欲は確実に日本人以上です。意識の高い人も多いですし。日本から原稿を送る際の意思疎通がまだまだ課題ではありますが、充分価値のある投資だったと思いますよ。ああいった業務は、今後もどんどん海外に出ていくんじゃないですか?
印刷物に限っては、海外で大量生産するメリットが少ないと思います。そのため印刷に限っては、各社ともに海外進出にそれほど力を入れていないのでしょう。コストダウンを見込むのであれば当然進出先は新興国です。それの何が問題なのかと言うと、材料の品質が極端に悪いことです。代表的なのが紙。一度私の上司がタイに市場調査に行きましたが、日本でいう上質紙に見合うクオリティの紙が見当たらなかったそうです。紙厚も安定せず、そのせいで枚葉のオフセット機はよく止まってしまうとのことでした。インクもしかりです。調色機を使っても色合いが安定せず、また色落ちも激しく、インクのせいかわかりませんが裏写りやゴーストも発生していたそうです。はたしてこのペーパーレス時代に、そこまでして粗悪な印刷物を海外で生産する必要があるでしょうか。費用対効果を考えると、印刷会社にとって海外に進出するメリットはあまりにも少ないです。
お察しの通り、印刷会社は海外進出に非常に苦戦しています。取引先のメーカーや商社からも、彼らの海外進出に合わせて我々にも要望を出していますが、とてもスムーズにはいきません。というのも、その進出先が決まって新興国だからです。システム分野やDTPは何とかなります。しかしそういった環境では、得意なはずの印刷が難しく、とても日本のような生産体制を構築することはできません。様々な要因がありますが、最も大きな要因は希望する機械が揃わないということです。印刷機はもちろんのこと、製本まで含むと満足のいく精度の機械を導入しても、サービスマンが現地にいないことが多いです。工程が分散されている工場であればまだスポット的にメンテナンスをすることも可能ですが、大量生産の輪転機から製本、梱包まで一連のラインでやってしまう工場であれば、一か所が止まればすべてが停止してしまいます。投資額から考えると、現地に工場を置いてもまだまだリスクが高いと言えます。