法務
法務の転職は売り手市場
法務の求人状況は依然として売り手市場、優秀な人材は各社獲得競争に陥っている状況です。AI(人工知能)、eコマースなどの店舗を持たない経営、スマートフォンによるカード決済などのテクノロジーの進化や仮想通貨といった新しいビジネスチャンスにより次々と新しい環境が展開する昨今では、今までの法規制では判別できないケースが発生することが予想され、企業法務のニーズは高まるばかりです。
下図は少し前の調査結果ですが、現在も企業法務の需要の高さはさほど変わらず、今後もこの状態が続いていくと予想されます。
(出典:リーガルネット「2015年上半期 法務求人動向レポート」)
法務の転職市場で最も必要とされている人材は、即戦力として活躍できる経験や知識のあるプロフェッショナルな人材です。法務職は専門職であることから人材は限られており、転職市場では管理職を対象とする求人が増加傾向にあります。また最近は海外案件など専門性が高い分野の人材も不足しており、企業法務の経験がなくても法律に明るい弁護士や司法書士、弁理士などを採用する動きも見られます。
法務の転職市場の今後
法務職はビジネスのグローバル化や新規事業の展開などに伴い、今後様々な分野で活躍していく仕事です。法務職に就くために特別な資格は必要とされませんが、企業法務に関する知識を知っておくと実務上役に立ちます。そのため、法務資格を取得しておくと転職時のアピールポイントとなります。
ビジネスコンプライアンス検定やビジネス実務法務検定は難易度も低く法務未経験者が挑戦しやすい資格です。転職時にはビジネス実務法務検定2級、ビジネスコンプライアンス検定上級以上を取得しておくと採用担当者へアピールすることができるでしょう。法務実務経験のない方でも、ビジネス実務法務検定2級以上を取得しておくと転職時に有利に働くことがあります。
(出典:リーガルネット「法務担当者が押さえておくべき資格一覧」)
また、外資系企業の法務職への転職は年収アップが望めます。企業のグローバル化・国際化に伴い海外との取引や海外進出が盛んになることから、英語力(語学力)があり業務上英語を使用した経験がある方やTOEIC700点以上の高得点保持者などは転職市場でニーズが高いでしょう。
企業側としてはビジネスで使う法務を熟知している人物を必要としているため、企業法務実務経験がある人材を管理職として高待遇で採用しています。また、法務の立ち上げ作業などゼロから開拓フローを経験した人材はベンチャー企業が採用している傾向にあります。今後もこの傾向は続くと予想され、企業側の求人数増加と共に転職者の数も増えていくでしょう。