人事の方が転職時に書いた実際の履歴書をもとに、注意点を解説していきます。
建設資材メーカーの営業事務(就業中)から人事への転職を希望する25歳Bさん(女性)
短大を卒業後、建設資材メーカーの事務職に入社。現在も就業中で、現職の営業をサポートする事務職から、組織全体をバックアップするポストとして人事の仕事に興味を持ち、転職活動を開始。業種は問わず、英語力を活かして外資系企業も視野に入れる。さらに転職をより有利に運ぶため、社会保険労務士の資格取得に向けて勉強中という状況の例文です。
①免許・資格
平成22年2月 日商簿記3級
平成23年2月 実用英語技能検定1級 取得
②特技・趣味・得意科目など
実際の文章
「読書や映画鑑賞。時間を見つけては読書に没頭しています。小説などの文学作品が多く、映画化されたものや受賞した作品などの話題作を数多く読みます。また、映画は字幕なしで英語のヒアリングの勉強も兼ねて見ることで、実線レベルの英語力が身につくように心がけています。」
読書や映画鑑賞は趣味としては平凡かもしれませんが、履歴書での書き方次第では、面接官との会話のきっかけになる要素を含んでいます。小説の話題作などであれば、面接官も実際に読んだり気になっている作品があるかもしれません。共通する話題を通して、求職者がその作品をどのように感じたかなど、人間性に触れる会話にも発展してきます。人事は、人を扱う仕事です。人に興味があり、共感力を持つ人はコミュニケーション力も高いと印象付けられるでしょう。
また、映画鑑賞も趣味として書くだけでなく、英語力をアピールする材料になっています。いくら資格を取得しても、それが生きた知識になるかどうかは本人の努力と意識次第です。同様に、人事ならではの資格や専門知識を得ることは大切ですが、実践の場でそれが活かせることが大切です。せっかく身につけた知識を無駄にしないよう、またさらにそれに甘んじることなく、日々切磋琢磨する姿勢や向上心はアピールポイントになるでしょう。
③志望動機
実際の文章
「現職では、営業のデスクとしての業務も多く、営業資料や社内書類を作成する他、営業に代わってお客様と電話で打ち合わせをすることもあります。元々、人と関わる仕事が好きで、人とのコミュニケーションを通じて、それが営業や企業の業績に影響を与える可能性があることに大変やりがいを感じます。その業務に携わる中で感じたこととして、一人一人が素晴らしいスタッフでありながら、チームとしてその力が発揮されていないのではないかということです。営業のすぐそばで共に悩み、共に励ましあって仕事をしてきたからこそ気づくことができました。そこで、現在の仕事の領域から、さらに会社全体をバックアップできる仕事につきたいと考え、人事を志望いたしました。貴社の新規事業立ち上げに伴うスターティングメンバーの人事としてさらに精進することで、自分自身の成長につながると信じています。」
営業現場により近い業務の経験を踏まえて、例えば労務管理や営業活動がしやすくなる職場環境の改善など、具体的に実践したことなどがあればアピールしましょう。人事は、現場を理解することも必要な場合もあるでしょうか、共感だけでは成し遂げられない任務でもあります。時には、客観的な視点を持って問題解決をしなければなりません。すべての人が満足行く職場環境や改善策はないと言っていいでしょう。それだけに精神的にタフであることが求められます。個人個人の課題や悩みではなく、常に全体最適を考える。その視野と姿勢こそが人事に求められる資質です。その点を心がけて、自分なりのキャリアプランを考えていきましょう。
④本人希望記入欄
実際の文章
「特になし。」
基本的にこの欄は「特になし」でも大丈夫です。
本記事は2016/03/03の情報で、内容は人事としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。