土木施工管理技士(1級・2級)の年収相場

職業:土木施工管理技士

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 このページでは、1級・2級土木施工管理技士の実際の年収や資格手当について紹介しています。また、ケースごと(新卒入社と中途採用、会社の所在地など)の年収の差異、転職による年収変動の事例、年収をアップさせる方法についても解説していますので、土木施工管理技士の年収について調べている方、転職して年収をアップさせたい方は参考にして下さい。

 

1級土木施工管理技士の年収事情

実際の年収をチェック

 まずは1級土木施工管理技士の実際の年収を確認してみましょう。当サイトの「土木施工管理技士の給与明細調査」に、1級の資格保有者の給料の内訳が掲載されています。

 

 

 

参考詳しくはこちらをご覧ください

土木施工管理技士のリアルな給与明細調査

土木施工管理技士は国家資格で1級、2級があります。業務内容は川や橋、道路などの土木工事の主任業務などを行います。ここでは就業経験者の給与明細をもとに土木施工管理技士の年収を公開していきます。

 当サイトに寄せられた情報によると、1級土木施工管理技士の年収は400万円台後半~700万円台という結果が出ています。1名は神奈川県在住の現場監督業務従事者で、年収は約760万円と高めで、ボーナスも豊富に支給されていますが、残業手当が毎月の基本給の半分程度を占めています。

 

 もう1名は北海道在中の土木技術員の方で、勤続年数20年以上ですが、基本給やボーナスはやや少なめの印象を受けます。このように、会社の所在地や役職によって差はありますが、実際の年収例として参考になるでしょう。

 

資格手当は?

 上記2名の諸手当の内訳を見てみると、1名には資格手当として5,000円が支給されています。実際に転職サイトの「リクナビNEXT」で求人検索をしてみると、1級土木施工管理技士の資格手当は月15,000円~3万円という会社も存在しています。(2018年3月15日時点の調査)

 

2級土木施工管理技士の年収相場

実際の年収をチェック

 次に、2級土木施工管理技士の実際の年収を見てみます。

 

 

 この方は2級土木施工管理技士ですが、500万円台の年収を得ています。複数の資格を保有しており、諸手当が充実している様子ですが、残業手当は支給されていません。

 

資格手当は?

 上記の方は資格手当として13,000円が支給されていますが、土木施工管理技士以外の資格も保有しているので、そちらも考慮された支給額だと推測されます。2級の資格手当についても、「リクナビNEXT」で実際の求人票を調査したところ、資格手当は月2,000~20,000円と会社によってややバラツキがありました。また、入社後の資格取得の費用は会社が全額負担するというところもあり、資格取得やスキルアップに協力的な姿勢の会社が多い印象です。(2018年3月15日時点の調査)

 

土木施工管理技士の年収の差異をケースごとに確認

新卒と中途採用の年収の差

 次に、新卒入社と中途入社の年収の差異について説明します。

 

■新卒の場合

 新卒の場合、学校で土木を専門に学んでいても、まだ1級土木施工管理技士を持っていないので、あくまで「見習い技術者」としての給与にしかなりません。そのため月収は一般的な新卒給与と同じく、高卒で16万、大卒で20万、大学院卒で22万程度です。

 

 1級土木施工管理技士を取得すると、月数千円程度の資格手当が付く会社もありますが、いずれの会社でも、すでに基本給が「1級土木施工管理技士の取得」を前提に設定されています。例えばゼネコンで新卒採用され、1級土木施工管理技士を取得する20代後半になると、年収400万程度になっています。その後は職務能力に応じた給与評定によってかなり異なりますが、平均年収としては600~700万が目安となります。

 

 下記は各社の決算データに基づいた建設会社(ゼネコン)の平均年収に関するデータです。2016年の業界平均年収の1位は竹中工務店で約960万円ですが、建設会社の業界全体の平均年収は約715万円という数字が出ています。保有資格や職種、年齢ごとの年収の詳細は明らかではありませんが、この数字は一つの目安となるでしょう。

 

■中途採用の場合

 中途採用では、工事責任者として即戦力になるレベルであれば、応募時点の給与条件は月収35万+賞与で概ね年収500万が相場です。特殊な工種経験を有しており、その経験を十分に活かせる会社であれば、年収600万位(月収40万)+賞与が望めます。

 

 実際に転職サイトで求人検索をしてみます。転職エージェントの一つである「リクルートエージェント」で、「土木施工管理技士(1級・2級の定め無し)+ 年収600万円以上」を条件に求人検索をしてみたところ、120件以上の求人が公開されており、非公開求人も1,000件以上と豊富であることが分かります。年収600万円以上の求人が7割近くを占めていることから、この年収を狙うことは現実的であると考えてよいでしょう。(※2018年3月16日時点の情報)

 

  • 1級土木施工管理技士を取得していない新卒者の給与は平均的な額。即戦力の中途採用であれば年収500~600万円以上も可能。

 

都市部と地方の会社の年収の差

 会社の所在地によっても年収に開きが出てきます。前述の「1級土木施工管理技士の年収」の2例の比較のように、都市部と地方部の会社では基本給で年収100万程度の差が出ることもあります。しかし、生活費の支出を踏まえると、実質的な収支バランスはほとんど同じです。

 

 給与に差が出るのは手当の部分で、特に都市部のゼネコンに就職した場合は、工事が全国規模で展開されており単身赴任が多くなるため、単身赴任手当の分だけ給与が高くなり、年収で数十万程の差が出ることもあります。

 

  • 都市部と地方の給与差は支出を考慮すれば相応。都市部のゼネコンは単身赴任手当などで年収が高くなることも。

 

工事会社やゼネコンで経験を積み、転職した場合の年収事例

(事例1)工事会社から設計コンサルタント会社へ転職する場合

 1級土木施工管理技士として工事会社で経験を積み、設計コンサルタント会社へ転職した場合、職種が「施工」から「設計」に変わるため、年収ダウンが大きく、初任給と同程度まで下がるケースもあります。この年収ダウンは非常に大きいのですが、設計技術者として勉強し直し、「技術士」という資格を取得することで、年収アップが見込めます。したがって「技術士」を取得することを前提に設計職へ臨むことがキーポイントとなります。

 

 また、ゼネコンでも「技術士」資格を取得することは可能ですので、これを取得した後に設計コンサルタント会社へ転職すると年収ダウンはほとんどなくなります。あとは、超難関資格である「技術士」に合格できる時期と、転職先の設計会社から若く柔軟な学習力を評価してもらえる年齢とのバランスが、転職時期の見極めどころとなります。

 

(事例2)工事会社から地方自治体の公務員に転職する場合

 工事会社で1級土木施工管理技士を取得し、地方自治体の公務員の中途採用で転職する場合、経験5年以上の年収相場としては500~600万程度が目安になりそうです。

 

 自治体により異なりますが、東京都職員採用案内を例にとると、大学院修士課程修了で経験8年の場合の初任給は約34万円、同じく大大学院修士課程修了で経験5年の場合は29万円となっています(※出典:東京都職員採用案内/同資料より一部抜粋・加工)。ここに各種手当てが加わりますので、年収としては前述の500~600万円程度、工事会社にいた場合とほぼ同じ給与条件が見込まれます。公務員ですので、給与条件は申し分ないものとなります。

 

 ここで注意が必要なのが残業手当です。特にゼネコンは慢性的に残業が多く、残業手当は月45時間以上が当たり前の世界です。月収に換算すると10万円以上になることもあります。ゼネコンの技術者から公務員になった場合は、残業手当がなくなる分だけ年収が下がる想定が必要です。

 

  • 工事会社から設計コンサルタント会社に転職すると、技術士取得までは年収がダウンする。公務員になった場合はベースの年収は同等だが、残業手当がほぼなくなる点に注意。

 

土木施工管理技士が年収アップする方法は?

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 土木施工管理技士が転職で年収アップを狙う場合の求人としては、以下のようなパターンがあります。同じ土木施工管理技士でも、会社や職種によって年収の違いが大きいです。とにかく年収アップを狙いたいという土木施工管理技士にとっては、転職は希望を叶える1つのチャンスです。

 

① 夜間工事を扱う会社への転職

 労働基準法において、残業手当は基本給の1.25倍、深夜手当は基本給の1.5倍と定められています。したがって、夜間工事を扱う会社であればその分だけ年収アップとなります。夜間工事としては、トンネル、ダム、道路舗装が代表的なものです。24時間工事となるトンネルやダムでは、現場監督は大体が2交替体制なので特に収入が増えます。さらにこのような現場は繁華街から離れた山奥であることが多いため、休日の出費も抑えられます。自然と貯蓄が増える環境です。

 

② 単身赴任や転勤が多い企業への転職

 「都市部と地方の会社の年収の差」でも触れたように、大手ゼネコンや専門工事会社では、全国各地の現場へ赴任するため単身赴任が多くなります。その場合、基本給に加えて単身赴任手当や帰省旅費(月2回程度)、離島手当などが加わります。これらを合計すると月に数万円が給料に加算され、帰省をあまりしなければ大幅な年収アップとなります。

 

③ 海外事業を展開している会社への転職

 震災復興やオリンピック景気が一段落した後に、今後の国内建設市場が縮小することを睨んで、海外での工事受注を狙う会社が増えています。一般的に、海外赴任する社員の年収は国内現場の社員よりも高くなります。当サイトの悩み相談ページの投稿を見ると、「海外勤務の年収は日本国内勤務の1.5倍」という記載もあります。

 

 その上に現地での生活費は別途支給されることが多いため、給与はすべてが国内銀行の給与口座に貯まっていきます。この場合、年収はかなりの高額となるケースもあり3年程度赴任すれば一戸建てが購入できる程度の蓄財も可能です。実際に、子どもの教育資金や住宅購入資金の貯蓄が目的で、海外赴任を希望する現場監督も多いです。

 

④ 中小企業から大手企業への転職

 中小企業である程度の経験を積み、年収に不満がある場合、基本給のベースアップや残業手当、資格手当などによる年収増を狙って大手企業に転職する方法もあります。例えば大手ゼネコンへの中途入社ともなれば決して簡単ではありませんが、各社ホームページでも1級土木施工管理技士保有者のキャリア採用を募っており、想定年収として「A社:32歳:年収690万円」「B社:35歳:年収570万+諸手当別」などの記載があります。これまでの経験や転職先にもよりますが、年収600万円程度は見込めると考えられます。

 

 小規模や地方の会社から大手に転職したい人からの相談投稿を見てみると、「メジャーなゼネコンに転職した場合の年収のモデルケースは、大卒・経験10年で年収600万弱」という回答があります。

 

⑤ 大手企業から小中規模への転職

 上記とは逆のパターンで、大手ゼネコンや専門工事会社に勤めている場合、大規模現場での経験や、特殊工事における技術力、現場統率力、若い世代の技術者の指導力が評価されることが多くなり、地方の建設会社へUターン就職して管理職に迎えられるケースもあります。転職先の企業規模にもよりますが、年収800万程度の待遇も期待できます。

 

 実際に「リクルートエージェント」で、「土木施工管理技士(1級・2級の定め無し)+ 年収800万円以上」を条件に求人検索をしてみると、福井、名古屋、仙台などで、転勤なし、現場監督職の公開求人があります。(※2018年3月16日時点の情報)

 

⑥ 技術士資格を取得してからの転職

 「技術士(建設部門、科目:施工計画・施工設備及び積算)」は、大学卒業の学歴で、1級土木施工管理技士を7年以上経験した技術者に受験資格が与えられます。この資格は1級土木施工管理技士であれば誰もが欲しい資格ですが、合格率が15%以下と超難関資格です。しかし、取得すると会社の入札条件が飛躍的にアップするため、技術士資格を有している土木施工管理技士の待遇は格段に上がります。

 

 工事の監理技術者として技術士を指名することにより、工事金額の約1%相当のアドバンテージを得ることができます。つまり、技術士を現場監督とした入札では、1億円の工事に対して入札評価点で約100万円相当のメリットがあるため、技術士を雇用している会社は直接的な利益増に繋がることになります。ゼネコンでは現場監督が1年間にこなす工事金額は約1.2〜1.5億円が目安となりますから、技術士は会社に年間120〜150万円の利益をあげていることになります。したがって、その分だけ待遇がアップする仕組みになっている建設会社が多いです。

 

参考有利な資格(技術系)についての参考ページ

土木施工管理技士の転職に有利な資格(技術系)

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  • 夜間工事や単身赴任、海外赴任は諸手当が付くため年収がアップする。経験を活かして地方企業の管理職に就いたり、技術士を取得するという方法も。

 

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本記事は2018/07/24の情報で、内容は土木施工管理技士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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