公認会計士だけでも十分
公認会計士の資格は、日本の三大国家試験(他の二つは司法試験、不動産鑑定士)と呼ばれるだけの難関資格です。そのため、公認会計士の資格を持っているだけで、その資格を持っていない人と比べれば相当高い評価を受けることができます。
また、公認会計士の仕事は、独占業務である監査業務と、会計のプロフェッショナルとしてのアドバイザリー業務が中心ですが、必要なのは資格よりも、高度な知識と豊富な経験になります。そのため、公認会計士として活躍することだけを考えれば、資格は公認会計士資格があれば十分です。
まだ経験の浅い若手の公認会計士であれば、他の資格を取るために時間を使うよりも、自らの知識や経験を増やしていく方が重要です。
- 公認会計士として成長することの方が優先事項。
差別化のための資格
公認会計士として活動する場合には、公認会計士資格があれば十分です。しかし、公認会計士同士で競争しなければいけない状況であれば、話は別になります。
公認会計士の多くは、試験合格後にBig4と呼ばれる四大監査法人に就職します。そして、監査業務からキャリアをスタートさせます。そのため、公認会計士同士の経歴は、似通ったものになってしまいます。そのような中で、例えば、転職市場のように限られた求人を公認会計士同士で競争しなければいけない状況であれば、他の公認会計士と違う点をアピールしないといけません。
いわゆる差別化が必要となってきます。その差別化の方法として、他の資格を持つという方法は、履歴書にも書けますし、その知識や能力が明確になりますので、効果的な方法です。ただ、公認会計士自体が難関資格ですので、それに追加する資格も同じ程度のレベルがなければ効果は薄いです。
公認会計士を採用する企業側は、まず会計のプロフェショナルとしての知識や経験に期待していますので、中途半端な資格よりも、豊富な経験を持った公認会計士の方が需要はあるからです。したがって、公認会計士と並ぶ三大国家資格である弁護士や不動産鑑定士も併せて持っていると、そのような公認会計士は少ないので、貴重な人材として高い評価を得ることができます。
- 公認会計士同士で競争する場合には、難関資格をもう1つ持っていると差別化できる。
サービスの特徴を知ってもらうための資格
資格を持っていることの長所は、その資格に関連する知識や経験を持っていることを周りに知ってもらうことが簡単にできるということにあります。公認会計士であれば、会計のプロフェッショナルとしての知識や経験があります、ということを詳しく説明しなくても伝えることができます。
しかし、実際には公認会計士の特徴は、伝わり難いものです。理由は、大企業を相手にしたものが中心であるため、直接仕事で関わったことがない人や中小企業の人にとっては身近な存在でないからです。そのため、個人や中小企業を相手にしている一般事業会社やコンサルティング会社で活躍することを想定すると、公認会計士という資格を前面に出しても効果は薄いという場合があります。そのときは、仕事内容がよりわかりやすい資格を合わせて持っていると効果的です。
例えば、個人を相手にする場合であれば税理士やファイナンシャルプランナー、中小企業を相手にする場合出れば中小企業診断士などです。これらの資格を持っていれば、公認会計士という会計プロフェショナルだけど、得意分野は税金関係だったり、中小企業相手のコンサルティングだったりすることを、簡単に伝えることができます。
- 自分の得意分野を伝えるために他の資格を持つことも効果的。
本記事は2016/02/03の情報で、内容は公認会計士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。