患者様のお口の中に入るものを作るスペシャリスト
歯科技工士は、入れ歯や差し歯、虫歯を削った後に入れる小さな銀色の詰め物(インレー)等を作るための国家資格です。専門の学校で2年間学び、実技と学科の国家試験を通過しなければ資格を得ることができません。人の口の中、という特殊な環境の専門知識と技術を持つ職人的な職業です。
歯科技工士の仕事の流れ
大抵の技工所では歯科医院から手渡される患者様のお口の中のコピー、石膏模型をもとに技工物を作っていきます。入れ歯や差し歯等、作るものによって材料は様々です。特殊で最新の材料を扱うことも多く、ものを作ることが好きな人にはたまらない現場です。
出来上がった技工物は歯科医院に手渡され、歯科医師によって患者さんのお口の中にセットされます。ここで上手くセットできない場合は修正や再製作となる場合もあります。何も問題がないようなら、ここで歯科技工士の仕事は終了です。
入れ歯の場合は、割れてしまったり人工の歯が取れてしまったり等の修理のメンテナンスの依頼が入ることもあります。新しく作成する場合よりも難しいことが多く、これもまた歯科技工士の重要な仕事のひとつです。
- 歯科医院から渡された石膏模型をもとに技工物を作成する。入れ歯の修理を行うことも。
職場によっては技工以外の仕事も行う
歯科技工士は技工所と呼ばれる場所で仕事をするのが基本ですが、その技工所が個人経営なのか、どこかの大きな会社の中にあるのか、または歯科医院の中に併設されているのかによってその仕事内容が大きく異なってきます。
個人経営の場合は電話対応や事務仕事・営業等も兼ねることがあります。大手技工会社のように技工以外の業務は別の課が受け持つという場合は、本当に技工のみを一日中行うケースもあります。歯科医院内の技工室では、接客や歯科助手、または受付業務などを任されることも多いです。勤務先の事情や経営形態によってかなり差が出るので、よく確認した上で転職活動を行うことが大切です。
- 技工のみ、事務作業兼務など、勤務先によって仕事内容が大きく変わるので、事前の確認が必須。
本記事は2016/01/19の情報で、内容は歯科技工士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。