バイサイドとセルサイドの差
バイサイドトレーダーはセルサイドトレーダーより比較的激務は少ないと言えます。
もちろんこれは平均的な場合で金融機関によっても、つくポジションなどによっても仕事量や勤務時間は様々です。
しかし、セルサイドのカスタマートレーダーはトレーダーとは言っても、顧客相手のトレーダーですのでどちらかというとセールス的要素が多く、顧客のニーズへの対応に多くの時間をとられます。実際の取引時間外にも顧客と電話をしたり、リサーチを重ねたりと、拘束時間も長くストレスもあります。
一方でバイサイドトレーダーは基本的には社内の運用マネージャーの指示に従って取引をこなしていくので、取引が終わると後は決済処理を済ませれば終了というトレーダーもいます。もちろんマネージャーのリクエストなどでリサーチをすることもありますが、そういったリサーチ自体をセルサイドに頼んだりもできるので、負担を減らすことができます。
ただし担当しているファンドマネージャーによっては厳しいことをいう人もいますので、激務ではありませんがストレスフリーとは言えないかもしれません。
- バイサイドトレーダーはセルサイドトレーダーに比べて激務ではないことが多い。
シフト制のトレーダー
その他、勤務条件を選ぶことによっても激務を避けることは可能です。
例えば、深夜勤務などシフト制のトレーダーというのがいます。株式や債券などは取引時間が昼間だけですが、為替などの取引は場所を移しながら24時間行われています。
グローバルな金融機関は世界中の地域に支店がありますので、24時間1つの支店で分担しなくても、取引時間に開いている支店へと担当をシフトさせていきながら取引をカバーできます。しかし、そうでない場合は、1つの支店で24時間対応できるようにトレーダーを置いておかなければなりません。
こうしたトレーダーは3シフトほどで回していることが多いので、残業が比較的少なく激務にはなりにくいようです。一方で担当時間帯によっては一人で回さなければならないこともあるため、場合によっては非常に忙しくいくつかの業務を一人でこなさなければならないこともあります。
- シフト制で働く場合は担当時間内は忙しくなることもあるが残業になることは少ない。
ローリスクローリターン
激務でないトレーダーを探すのはそれほど難しくないかもしれませんが、激務でなくかつ高収入というトレーダーを見つけるのはそれほど簡単ではないです。
セルサイドトレーダーは激務の場合が多いですが、それに見合うだけの収入があるのも事実です。もちろん仕事量が少なかったり、条件的に割のいいポジションもあったりしますが、基本的には望まれる仕事量や給料に大きく影響しています。
それ程厳しくないトレーダー職であれば高い給料を望むのは難しい傾向にあります。もちろん例外もありますので、就職する前に仕事量と条件が見合っているかを面接時に確認しておきたいところです。
- 激務でないトレーダーの場合、高収入を狙うのは難しい。
本記事は2016/01/15の情報で、内容はトレーダーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。