地方公務員から動物病院開業へ(59歳 栃木県在住)
男性(50代)
私は大学を卒業後、地方公務員として長年働いてきました。昔は、畜産業に携わる獣医師がほとんどで、犬や猫も家畜と同じように大動物の獣医師が診察していました。そんな時代だったので、就職の際には広く世の中の役に立ちたいと思い、公務員の道を選びました。
動物保護センターの所長に着任したとき、小学校で動物の命について公演する機会がありました。そこでは動物に対する子供たちの純粋な気持ちが沢山聞くことができて、自分が獣医師を目指したきっかけを思い出して胸が熱くなりました。それからは日に日に臨床現場に立ちたい気持ちが強くなって、早期退職することを決断しました。友人の動物病院で、診察や手術の研修をさせてもらい、58歳の時に動物病院を開院しました。
若い先生には技術的なことではかないませんが、年齢を重ねた私にしかできない心の繋がりを大切にする獣医療を提供できると思います。動物病院が、人と動物の絆を深める場になれるよう、命の大切さを伝えながら診察していきたいと思います。
農業協同組合から開業獣医師へ(58歳 北海道在住)
男性(50代)
大学卒業後は農業協同組合に勤務して馬の診療をしてきました。若い時からいつかは独立開業して自由にやりたいと考えていましたが、診療に追われているうちに40歳を過ぎ、考え方も保守的になってきて辞められずにいました。55歳の時に現場から事務職に上がり、夜勤や休日出勤がなくなって時間に余裕ができたので、計画的に開業の準備を始めました。退職してまとまったお金が入ったので、銀行から借り入れずに支度できましたが、これから学費のかかる高校生が家にいたので、清水の舞台から飛び降りる思いでした。
独立後も、気心の知れた牧場さんには往診に呼んで貰っていて、今のところ仕事は順調です。 若い頃、採血や手術が使い物にならいくらい下手だったとき、農家さんには色々経験させていただいて、獣医師として育てて貰った恩があります。力の要る作業が多いので、何歳まで仕事を続けられるかわかりませんが、身体が動く限り馬の診療を続けていきたいと思っています。
本記事は2015/06/19の情報で、内容は獣医師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。