少子高齢化社会の影響
少子高齢化の中でQOLの向上が重視されています。一人で自立した生活を送れるように、病気の予防のために、運動をする事が推奨されています。高齢になると人の手を借りなければ出来ない事が増えてきますから、筋力をつけるため、転倒防止のため、骨粗鬆症にならないために運動を推進する声が多くなっているのです。
実際に、デイサービスや高齢者の介護施設の中でも運動をする時間を設けている施設は増えていますし、マシンを導入して運動を推奨している施設もあります。また、生活習慣病の予防や特定健診・特定保健指導等も行われて医師から運動を勧められている人もいます。病院併設のメディカルフィットネスも増えつつあります。高齢者や有疾患者に対する運動指導が出来るジムトレーナーの需要は増えていくと予想されます。
- 運動を推奨する高齢者施設が増えており、それに対応できるジムトレーナーの需要は高まっていく。
子どもの運動能力の低下
テレビなどで、文部科学省の体力テストの数値が低下していると報道されることがあります。昔とは体力測定の内容自体が変わっているのですが、やはりPCなどの普及によって外で遊ぶよりもゲームをする時間が長くなったり、勉強ばかりして運動をしない子供が増えたり、体育の授業数が昔に比べて減っている事などから、運動する機会が減っているのも事実です。
家庭環境にもよりますが、親がスポーツをしているのでその影響を受けて子どももスポーツをするという場合もありますし、運動能力の低下と一言で言っても「運動能力に優れている子」と「運動能力が劣っている子」の平均値ですので、全員の体力が落ちているわけではなく、年々少しずつ体力が低下しているという状況です。
運動能力が劣っている、運動の習慣がない子どもについては、早いうちから運動習慣を身に付けておくことが大切です。これは生活習慣病の予防にもつながります。そのため、子どもを幼児スポーツ施設に通わせたり、幼稚園の中で「スポーツ」というカリキュラムを取り入れている園も出てきています。幼稚園児の年齢の特性を考慮したカリキュラムであり、サッカースクールや幼児スイミングなどといったものとは違った視点で構成されているプログラムです。幼児スポーツ施設に関するトレーナーも今後需要が増えると考えられます。
- スポーツの時間を設けている幼稚園や、保護者が幼児スポーツ施設に通わせるケースも増えており、幼児スポーツの知識があるトレーナーは重宝される。
オリンピック等のスポーツの祭典
大きなスポーツの大会がテレビで放映されると、自分も何かをしてみようと思う人はたくさんいます。サッカーの日本代表戦の後、スポーツバーで知り合った人と一緒にスポーツを始めたり、フィットネスクラブに誘われて入会するというケースも実際にあります。ただ、きっかけがあって誘われれば行くけれども、1人ではなかなか行きにくいというのも事実としてあります。
部活動でスポーツをしていたわけでもなく、何をしたらよいのかわからないという人がまず目を向けるのがフィットネスクラブです。「マシンを使った運動なら、運動が苦手な自分でも出来るかもしれない」と考えて入会する人も多くいます。
オリンピックやパラリンピックなどが開催されると、それがきっかけでフィットネスクラブに入会する人もいます。それに伴って、ジムトレーナーに限らずフィットネス業界の求人は増えます。東京オリンピックの開催も決まり、フィットネスに関わる企業全般に大きな影響を及ぼすことになります。年齢層や対象者は様々ですが、このような意味で、国内のジムトレーナーの需要は全体的に高まることが推測されます。
- オリンピック開催に伴いフィットネス人口が増えると考えられるので、それに伴い求人も増える。
本記事は2015/06/11の情報で、内容はジムトレーナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。