医療関係者との関係
メディカル施設やアスリート向けの施設では、1人のクライアントを1人のジムトレーナーが担当するというよりは、チームで担当していく事になります。
メディカル施設であれば、クライアントの身体の状態を医者が診断して、それに基づき理学療法士や作業療法士がリハビリを行います。リハビリを終えて一般の生活からさらに上の状態に機能を回復させるというのが、ジムトレーナーの仕事になります。一部のメディカル施設では、処方までは理学療法士が行い、運動指導に関してはジムトレーナーという立場のスタッフが行うというように分けているところもあります。
いずれにせよ、メディカルフィットネスやアスリート施設で何らかの疾患や怪我、痛みを訴えている人に関しては、医者や理学療法士との連携が必要で、運動指導中の違和感や変化があれば直ぐにその旨を報告しなければなりません。それにより、運動の種類や強度を変えたり、運動を中止したりという判断が必要になります。
ジムトレーナーは医者ではありませんので、診断はできません。あくまで診断は医者が行い、それをもとに理学療法士が運動処方を行い、ジムトレーナーが指導をするという流れに沿って、1人のクライアントを支える事になります。
- メディカルフィットネスやアスリート施設では、運動指導中に異変があればすぐ医師に知らせてメニューを変更するなど、医療従事者との連携が重要になる。
介護士との関係
ジムトレーナーの仕事として、高齢者のデイサービスのような施設のサービスの一環として運動指導を行う事があります。その時に必要になるのは介護士との連携です。介護士はご家族の方との情報共有であったり、日々の状況というものを把握しています。高齢者になれば、筋肉や骨が弱ってくるほかにも疾患を持っている方もいます。
デイサービスや介護施設での運動指導は、集団指導を行うケースが少なくありません。集団指導を行っていると、個々の細かい変化にまで配慮が行き届かないこともあります。介護士から日常の様子やその日の体調面などを聞いておき、いつもと同じ状態なのかそうでないのかといった情報を事前に入手しておくことが大切です。その日体調がすぐれなかったり、いつもと少し様子が違うなどの情報がある方に対しては、特に注意を向けながら運動指導を行う事が出来ますし、変化があった場合にも直ぐに対応が出来ます。
また、施設の中には看護師が常駐していて来た時にバイタルチェックをしている施設もあります。そのような施設では状態を数値で確認できますので、運動指導の前に目を通しておくというのも重要な仕事のひとつであり、介護士や看護師とのコミュニケーション能力が問われてきます。
- 高齢者施設では、介護士や看護師とのコミュニケーションと連携によって、高齢者の個々の状態を把握しておくことが求められる。
保育士との関係
幼児向けのスポーツ指導としては、スポーツクラブ内に通ってもらう場合と、幼稚園等の施設を利用してそこに通う園児を対象に運動指導をするという場合とがあります。その時に、保育士との連携というのがとても重要になってきます。
保育士は連絡ノートを通じて保護者と連絡をとったり、電話で子どもの自宅の様子を聞いたりして、子どもの変化を常に情報収集しています。ジムトレーナーとして教える中で、子どもの性格や特性を踏まえた上で個々のレベルに合わせた指導を行う事は非常に大切です。
特に幼児期は同学年であっても早生まれと遅生まれでは全く運動能力も異なってきます。そういった意味で、日々の園内での様子や家庭内での様子などを保育士から入手しておけば、ジムトレーナーとして教える時のカリキュラム作成やクラス分け、サポート体制など様々な事に役立てることが出来ます。
- 幼児施設の場合、保育士とコミュニケーションを取り、子どもの様子を把握しておくとことも重要。
本記事は2015/06/04の情報で、内容はジムトレーナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。