流動的な業務が多いので残業は覚悟
役員には勤務時間があってないようなものなので、共に行動する秘書も勤務時間外の仕事が発生しがちになるのが一般的です。従って、働く時はある程度の残業を覚悟しておくべき職業です。
秘書の場合、自ら仕事を作り出すことはまずないので、残業になる可能性の仕事は、すべて役員の指示内容次第です。役員のスケジュール自体はある程度の予定はありますが、急な来客があったり部下のアポイント要請や会議後の対応策など、常に流動的です。期せずして定時に業務が終わらず、秘書の仕事に影響することはよくあります。
また、残業というと定時の終業後の居残りのイメージがありますが、時間外勤務ということでは、朝の早出出勤も想定しておく必要があります。朝一番の役員会議のスタートとなると早めに出勤して会場準備、会議資料の確認、役員への事前説明など準備しなければならないことが沢山あります。
- 共に行動する役員次第で、勤務時間外の仕事が発生しがちになるのが一般的。
残業が必至の接待や役員との同席
残業が必至となるのは、就業時間後にしかありえない接待です。接待は、役員が接待側になる場合とされる場合の2通りあります。
接待される場合は、秘書はさほど忙しくありませんが、役員側が接待する時は一大イベントとなり、秘書をはじめ関連部署のメンバーも関わってきます。秘書が接待会場で同席する場合もあれば、後方で待機をする場合もあります。いずれも終了して接待客をお見送りし、さらに役員を送るまでが秘書の仕事時間です。
会社によって、また役員によっては秘書の勤務時間に配慮して、接待場所に着いた時点で秘書を解放してあげることもありますが、ケースバイケースですべて役員次第です。
- 接待への同席は役員次第となり、役員側が接待する場合には一大イベントとなる。
休日ゴルフや海外出張もなくはない
時間外勤務という意味では、休日のゴルフ接待などに秘書が同行する場合もあります。グリーンでの商談やビジネストークもありうるので、秘書を同行させることもあれば、秘書も一緒にプレーすることもありえます。
更には、役員の海外出張の同行となれば日本での勤務時間はそもそもなくなるわけですし、海外出張目的に合わせて現地要人との会議、面談、食事会と続くので残業どころか、かなりタイトな出張日程となる可能性があります。
役員自身は残業手当等にはまったく関係ありませんが、秘書はスタッフですので、時間外勤務や休日出勤、海外出張への諸手当は就業規則に従って支払われます。
- 休日のゴルフ接待などに秘書が同行する場合もありうる。
秘書にはなりたいが残業は避けたい場合
秘書の仕事は希望するが、残業はやりたくないという場合は、スケジュール管理や名刺整理、経費精算、文書・郵便管理といった庶務の延長線上の単純業務への応募か、もしくは残業なしと明言している派遣会社からの派遣かどちらかです。
後者だと、派遣会社採用の後、派遣契約で就業すれば残業を極力少なくすることは可能です。この場合、残業が発生しないような仕事の契約をすればいいわけですが、結果的にはほぼ定型的業務での契約になります。正社員の残業は本来許可・命令があってするものですが、派遣社員の場合は契約に基づきもっと厳しく運用されるので、恒常的に残業で居残ったりすることは避けられます。また、接待での時間外勤務や休日出勤についても、最初の秘書業務契約に入れないという選択肢もあります。
もちろん、派遣先が求める秘書業務と調整しなければならないということは言うまでもありません。
- 単純業務への応募か、残業なしと明言している派遣会社からの派遣の二択となる。
本記事は2015/11/30の情報で、内容は役員秘書としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。