似た印象をうける「インテリアコーディネーター」と「インテリアデザイナー」の違いについて、インテリアデザイナーの概要を解説していく中で比較していきます。
インテリアデザイナーの2つの仕事とは
インテリアデザイナーにはインテリアの製品そのものをデザイン・制作する仕事と、空間デザイナーのように空間をデザインする仕事の2つがあります。
インテリア製品のデザインとは具体的に、椅子や机などの家具、照明や家電製品、置物などの小物類などを指します。その製品の使用用途や機能性、使用する材料などを自ら考えて設計し、製品化させます。イサムノグチの照明器具『AKARI』、磯崎新の椅子『モンローチェア』など、その製品と建築家の名前がセットで世に出回ることが多く、歴史に残る製品を誕生させることができる仕事です。
空間のデザインとは、室内の構造や住宅設備の配置、内装、その他の装飾までを総合的にデザインするということです。レストランやオフィスから住宅まで幅広く手がけることが出来ます。空間のデザインの仕事としてはインテリアコーディネーターと一部重複します。自ら設計し図面を起こしますので、感覚やセンスによる芸術的創造が強い空間デザイナーとも異なります。(※空間デザイナーに関してはコチラ)。
- インテリアデザイナーの「空間デザイン」の仕事がインテリアコーディネーターと似た部分がある。
インテリアデザイナーは設計から現場監督まで
インテリアコーディネーターは設計士によるプランが確定したのち、内装仕上げの選定と顧客への提案を行い、現場施工は業者へ依頼して最終段階で仕様の間違いがないかどうかを確認します。
それに対してインテリアデザイナーは設計段階から携わります。住宅や店舗、商業施設や駅、電車、飛行機、など対象となる物も幅広く、いちから設計するものもあれば本体の大きさのみが決まっているものもあり、内部の設計を任されることもあります。インテリアコーディネーターのように内装仕様の確定も行いますが、その後は施工現場にも立ち会って現場指示を出します。特に図面で表せないような細かい物の間隔やレイアウトは現場判断での施工となります。特殊な内装材や、法に定められた材料使用制限がある場合もありますので、下調べと建築的知識が重要です。
- インテリアデザイナーは設計段階から関わるという点で業務内容がインテリアコーディネーターより広い。
インテリアデザイナーに必要な資格と経験
建築系の学校で製図やデザインの基礎を学んだのち、二級・一級建築士、インテリアコーディネーター、インテリアプランナーの資格取得を目指します。資格の併用により、請け負える仕事は大きく変わってきます。建築事務所での設計士、インテリアコーディネーターの経験は強みになります。
本記事は2015/05/20の情報で、内容はインテリアコーディネーターとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。