柔道整復師の適正 -話す力-
昔の接骨院は治療院というイメージで、当時の柔道整復師は多少無口で頑固でも確かな技術があれば問題ありませんでした。むしろ無駄に話す必要もなく、寡黙でしっかりと治療するタイプの人の方が仕事をしやすかったのです。
しかし今の接骨院はサービス業です。もちろん治療が前提で、揉みほぐしの技術や包帯を巻いて固定する事が上手であれば文句はありませんが、それ以上に身体のメンテナンスをしたり状態を早く改善する為にも、なるべく来院を促さなければいけません。
では現在の柔道整復師に求められる適正はどのようなものかというと、必要になるのは話す力です。話すといっても、自分の話ばかりをだらだらと話せばよいというものではありません。患者様にとってはみんな先生なのですから、先生らしい説得力のある話し方が出来ないといけませんし、患者様が分かるように説明することが求められます。
例えば身体の状態を説明するにしても、医療学的な難しい話をしても知識がない人にはまったく伝わりません。それよりも、何故こうなったのか、どうすれば良くなるのかを簡潔にわかりやすく説明する力が必要なのです。
- 説得力のある話し方が出来る人、身体の状態や今後の治療法を分かりやすく説明できる人は向いている。
柔道整復師の適正 -聞く力-
次に必要な適正能力は、聞く力です。患者様の中には自分の痛みや症状を上手く伝えられない人もいます。そういう方に、いつごろから、どこで、どのようにして症状が起こったのかなど、患者様自身でも思い出しやすい聞き取り方をすることが大切です。
もちろん問診の時間の中で口頭で聞き出すことも大事ですが、視診や触診を通じて身体の状態を感じ取り、患者様本人にもわかりやすく伝える事も重要になります。
- 患者から症状を上手く聞き出す力、身体の状態を感じ取る力も必要。
適正能力は必須?
柔道整復師という仕事は、適正能力がないと出来ないという訳ではありません。例えば営業職をしていた人が転職して柔道整復師になる場合には、話をする面では確かに有利かもしれません。しかし工場勤務だった人が転職した場合は不利かというとそんな事はありません。人それぞれの性格もありますし、最初は適正がないと感じても頑張って努力をすれば人は成長していくものです。
本記事は2015/05/15の情報で、内容は柔道整復師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。