柔道整復師の開業権
昔は、柔道整復師を目指す人はほとんどが独立開業を夢見ていました。柔道整復師には開業権というものがあります。これは保険取り扱いが可能な治療院を開業する事の出来る権利です。同じ様な治療を施す国家資格である理学療法士や鍼灸師やなどにはこの開業権はありません。
独立開業に必要なもの
柔道整復師が独立開業をするのに必要なものは、まず第一に開業資金です。金額は決まっていませんが、例えば土地を買って建物を建て最新の治療器を導入して、となると数千万円かかるでしょう。反対に機器などは全てレンタルで最低限の広さの貸店舗で良いと考えているなら、それほど資金が必要ない場合もあります。
初期投資にどれだけ力を費やすかは人それぞれですが、地方で小規模の接骨院を開業するような場合なら、それほど資金もかけずに開業することができます。
- 開業資金は必ず必要だが、地域や規模によって金額は様々。
独立開業のメリットとデメリット
- メリットは高収入が期待できること
独立開業のメリットはもちろん、保険取り扱いによる保険請求が出来るという事です。骨折や打撲などの外傷に限り、加入している保険を使って治療費の全額の70パーセントを保険会社が支払ってくれるというものです。これにより、通常は治療を受けた本人の支払いは治療費の3割程度で済みます。
この治療費の内容には施術料や電料、温罨法や冷罨法といったものが含まれます。これを診療報酬として受け取れることができます。これは患者さんが増えれば増えた分だけ入ってきますので、接骨院が軌道に乗れば一般的なサラリーマンなどの収入と比べると大きな差が出ます。年収の観点では、独立開業というのは非常に魅力的です。
- デメリットは万が一のことが起こった時の責任
反対にデメリットとしては、全ての管理責任がある為、万が一医療事故などを起こしてしまった場合は倒産の危険も常にあるという事です。例えば、骨折の治療中に誤って後遺症を残すような神経障害を起こしてしまうケースです。ただし、昔から営業している接骨院はともかく、最近の接骨院ではそれほど頻繁に骨折の患者様が来院する事はありません。稀に骨折を疑う外傷の場合でも、自信のない先生はデメリットを避ける為に病院や整形外科への転院を勧めているのが現状です。
- 高収入は魅力的で大きなメリットだが、万が一のことが起これば倒産の危険性もある。
独立開業のタイミング
最近は接骨院も飽和状態にあるため、新しく開業するには立地や環境などもしっかりと考えなければなりません。それらを調査したうえで、しっかりとした経営指針を持ち、技術を会得していれば、独立開業しても失敗は少ないです。軌道に乗るまでには時間がかかったとしても、成功すれば安定した高収入が約束されます。
本記事は2015/04/30の情報で、内容は柔道整復師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。