客室乗務員(CA)の年収相場・手当・福利厚生

職業:客室乗務員(CA)

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 航空会社の華として女性のあこがれでもある「客室乗務員(CA)」の仕事ですが、客室乗務員(CA)の年収と言っても、JALやANAなどの国内系大手で働くか、シンガポールエアラインズ、エミレーツ航空、チャイナエアライン、ルフトハンザ、ブリティッシュエアラインなどの外資系で働くか、スターフライヤー、エアドゥ、ソラシドエアなどのコミューター系で働くか、ジェットスター、バニラ・エアなどのLCCで働くかなど、ケースによって年収や待遇は異なります。

 

 ここでは国内系大手・外資系・コミューター系・LCCのカテゴリに分けて、年収、手当や福利厚生について解説しています。実際のCA勤務者の給与明細なども掲載がありますので、客室乗務員(CA)に転職したい・客室乗務員(CA)の仕事で年収アップしたいと思われている方は是非ご参考ください。

 

 

勤務先別の客室乗務員(CA)の年収事情

 勤務先別の客室乗務員(CA)の年収事情ということで、国内系大手・外資系・コミューター系・LCCの4つに分類して年収事情を紹介します。

 

(1)国内系大手の客室乗務員(CA)の年収

 初めにJAL(日本航空),ANA(全日空)などの国内航空会社大手の年収から紹介します。国内系のCAの年収については、転職ステーションの「客室乗務員(CA)の給与明細調査」を見ると給与明細が1つ掲載されています。

 

参考31歳・国内大手客室乗務員「5,310,000円」

客室乗務員(CA)のリアルな給与明細調査

客室乗務員(CA)は、旅客機の中で業客への接客サービスに従事する仕事です。緊急時には客室の誘導や保安業務にも関わり、高い接遇能力と体力が必要な職です。ここでは、客室乗務員(CA)のリアルな給与明細をご紹介します。

 上記の事例では、JALかANAかは不明ですが、9年のキャリアの方でリードキャビンアテンダントをしており年収は約540万円、国内大手航空会社の客室乗務員(CA)年収の1つの事例と言えます。基本給は24万円ですが乗務手当や役職手当、残業手当などを含めると月額の手取りは29万円まで上がります。またボーナスも高額の印象を受けます。

 

 国内大手航空会社のCAは、外資やコミューター系航空会社等に比べて平均年収が高く、平均年齢も高い傾向があります。経験年数が長い客室乗務員が多いということも平均年収を引き上げている要因になっています。1994年頃には、客室乗務員(CA)の契約社員制度の採用が開始され、以降20年程続きましたが、2014年頃から正規採用が復活し、ここ数年は正規採用する会社が増加傾向にあります。2018年現在、国内大手航空会社は正規採用のみで、年収が安定しやすい理由の1つです。

 

 国内大手航空会社は、長いフライト中には食事も出ますし、備品類は全て支給されます。なお90年代頃までは到着地の繁華街にあるシティホテルに泊まることができましたが、現在は空港付近のホテルに宿泊することになります。国内大手航空会社は安定した給料と福利厚生に恵まれていると言えるでしょう。

 

参考国内系の航空会社客室乗務員がCAの給料について回答

航空業界の待遇について聞かせてください。娘が客室乗務員を希望しています。

航空業界に転職して客室乗務員になりたいという娘を持つ母親です。航空業界のお給料やボーナスは良いイメージがあったのですが、今はそうでもないのでしょうか?一人でやっていくに十分な額はいただけるのでしょうか...

 また、ANAやJALのページには、実際の客室乗務員として勤務した経験のある方のコメントが掲載されています。年収については「200万円~300万円」を選択している人もいれば「500万円~600万円」を選択している人もいて様々です。すでに説明したように契約社員制度の歴史などもあり、いつ勤務したかなども年収に影響しています。

 

参考複数名の客室乗務員のコメントあり

参考複数名の客室乗務員のコメントあり

日本航空(JAL)

※「年齢」「年収」「勤続年数」は単体データの平均。「売上」「利益」「社員数」は連結データ。(参考)2017年3月決算時の単体の社員数:11,449人...

 国内系「大手」とは表現できませんが、国内系航空会社の1つであるスカイマークのCA勤務経験者の年収もコメントがあります。

 

参考20代で「300万円~400万円」を選択するCAが数名

(2)外資系の客室乗務員(CA)の年収

 次に、外資系の客室乗務員(CA)の年収チェックしてみましょう。外資系航空会社と言っても、エミレーツ航空、シンガポール航空、カタール航空、キャセイパシフィック航空、エティハド航空、エバー航空、エールフランスなど挙げればキリがありません。

 

 ただ年収面で見ると、各国の航空会社によって違いはありますが、日系企業と同等の年収が支払われているケースが多いようです。給与支払いの仕組みや福利厚生などは国内系と違いはありますが額面年収としては遜色ないという事例が、転職ステーションの「客室乗務員(CA)の給与明細調査」に掲載されています。

 

 

参考29歳・外資系客室乗務員「4,765,800円」

客室乗務員(CA)のリアルな給与明細調査

客室乗務員(CA)は、旅客機の中で業客への接客サービスに従事する仕事です。緊急時には客室の誘導や保安業務にも関わり、高い接遇能力と体力が必要な職です。ここでは、客室乗務員(CA)のリアルな給与明細をご紹介します。

 上記の方の数字を見ると年収で約470万ほど支給されており、福利厚生なども含めて本人は満足している様子です。上記の方は具体的な航空会社については不明です。

 

 外資系傾のCAの年収の傾向としては、アラブ系の航空会社は客室乗務員自体のステータスが高いので、日本と同じあるいは少し高給になることが多いようです。また世界経済と連動している傾向もあり、中国マネーが強くなった昨今、中国系の航空会社も年収が高くなる傾向があります。

 

 外資系のCAは本当に勤務先によって年収も仕事内容も福利厚生も様々で、仕事内容も通訳のみということもありますし、ずっとギャレー(機内のキッチンスペース)ばかり固定ということもあります。独身寮などはないケースがほとんどで、住むところを用意するところから始めなくてはいけません。規約により副業が許されている人もいればそうでない人もいます。下記では外資系勤務経験者のCAがコメントを寄せていますので併せてご参考ください。

 

参考東南アジアを拠点とする某航空会社勤務

外資系CAの採用基準とは?

外資系CAに憧れています。外資系航空会社のCAに採用された方にお聞きしたいのですが、外資系CAの採用基準はどうなっているのでしょうか?やはり語学力のレベルは高いのでしょうか?その他、気をつけた方が良い...

参考某外資系航空会社勤務

外資系航空会社の客室乗務員の仕事内容と、そこから学んだこと

客室乗務員に憧れているものですが、周囲からは「まず現場に出るまでの研修が大変だし、仕事もキツイし、体力勝負だし、やめたほうがいいのでは?」と言われています。そこで、CA経験者の方に質問です。...

参考シンガポールの航空会社勤務

外資系航空会社の客室乗務員(CA)の仕事内容について

客室乗務員、中でも外資系航空会社の客室乗務員の仕事に憧れており、就職したいという気持ちがあります。外資系航空会社客室乗務員の仕事内容を教えて下さい。外資系であればどの会社でも構いませんのでお願いします...

 またキャセイパシフィックやエミレーツ航空、エティハド航空、シンガポール航空などのページでは実際のCA勤務経験者のコメントが寄せられています。これらの企業別の年収のコメントも1つ参考になるでしょう。

 

参考正社員・中途入社で「300万円~400万円」を選択

参考契約社員で「300万円~400万円」を選択

参考契約社員で「200万円~300万円」を選択

参考契約社員で「600万円~700万円」を選択

(3)コミューター系の客室乗務員(CA)の年収

 続いてコミューター系客室乗務員の年収についてです。大手の航空会社が飛ぶことができないコミューター系は、スターフライヤー、エアドゥ、ソラシドエアなどが該当しますが、客室乗務員の年収はどうなっているでしょうか。「客室乗務員(CA)の給与明細調査」を再度チェックします。

 

参考24歳・コミューター系客室乗務員「2,930,000円」

客室乗務員(CA)のリアルな給与明細調査

客室乗務員(CA)は、旅客機の中で業客への接客サービスに従事する仕事です。緊急時には客室の誘導や保安業務にも関わり、高い接遇能力と体力が必要な職です。ここでは、客室乗務員(CA)のリアルな給与明細をご紹介します。

 こちらの方は勤務経験2年で、約300万円が年収になっています。国内大手や外資系の方と比べると見劣りする数字ですし、本人も年収面の悩みから転職を考えている様子です。

 

 コミューター系は、航空会社によって年収にバラつきがあり、低いところは平均250万円程度のところもあります。ボーナスに関しても、業績により変動するので景気によって波があります。下記のページにはエアドゥのCAの年収コメントが寄せられていて、「200万円~300万円」「200万円以下」などが選択されており、やはり年収面に関しては恵まれないケースが多いです。

 

参考「200万円~300万円」「200万円以下」を選択

(4)LCCの客室乗務員(CA)の年収

 最後にジェットスター、ピーチアビエーション、春秋航空、エアアジア、バニラ・エアなどのLCC(ローコストキャリア)についてです。

 

 LCCの客室乗務員(CA)の給与は総じて低めです。正社員募集の会社も増えましたが、未だに契約社員でしか募集しない会社もあります。時給900円程度からスタートする場合もあり、飲食店などのアルバイトと同程度でCAとして働かなくてはなりません。LCCは、制服とフライト先の宿泊費以外は基本的に自己負担という会社もあり、待遇は上記3つのカテゴリよりもさらに悪い傾向があります。

 

 以下ではLCCのCA勤務経験者のコメントがありますが「給与や住宅手当等は他の大手航空会社に比べ低い」「給与アップがない」「フライト中の食事が出ない」などの待遇面にも触れています。

 

参考遅延は多いが残業代はない

参考なかなか給与アップがない

 

客室乗務員(CA)の各種手当・福利厚生

 

 客室乗務委員は、基本給に加えて様々な手当や福利厚生がプラスされます。どんな手当や福利厚生が出るのか、詳しく見てみましょう。

 

客室乗務員(CA)の各種手当

<※>宿泊手当

 いわゆる「ステイ費」と言われる、渡航先で宿泊する場合の手当です。各航空会社は1泊の宿泊について金額が設定されており、ステイ(宿泊)が多くなればなるほど、宿泊手当が多く加算されることになります。

 

<※>乗務手当

 フライトすればするほど加算されるのが乗務手当です。乗務時間が長いほど手当が多くなります。国際線で長時間フライトを担当したりすると乗務手当が増えます。

 

<※>休日勤務手当、年末年始手当

 土日祝日関係なく仕事をする客室乗務員(CA)ならではの手当です。

 

  • その他、民間の企業と同じように扶養手当、時間外勤務手当があり、住宅手当が支給される場合もあります。出世して役職が付くと役職手当が支給されます。

 

客室乗務員(CA)の福利厚生

 給料以上の魅力があると言われるのが、航空会社の福利厚生です。特に大手航空会社では福利厚生が充実しています。

 

<※>休暇

 客室乗務員(CA)は体力勝負の仕事なので休みが多く設定されます。有給休暇も事前に申請すれば、それに合わせてシフトを組んでもらえるため、取得できないという事はありません。年次有給休暇を全て消化できる航空会社もあります。また、懐妊・育児休職があり、女性がライフスタイルに合わせて長く勤務できる体制が整っています。

 

<※>EF券(社員向け優待航空券)

 航空会社ならではの特典です。EF券という社員に付与される優待航空券は、旅行や帰省の際にかかる交通費を格安で賄うことができとてもお得です。

 

  • その他、会社主催の語学教室が無料で受けられるなどの特典がある航空会社もあります。民間企業よりも福利厚生が充実し、特別な特典が多いのが客室乗務員(CA)のメリットです。

 

参考客室乗務員の福利厚生に関する学生からの相談

客室乗務員の福利厚生や給与、待遇を知りたい!

客室乗務員に憧れている学生です。客室乗務員の福利厚生はどうなっているのでしょうか?給与体系は?働きやすさやメリットなど知りたいです。...

 

客室乗務員(CA)が年収アップするには?

 

 客室乗務員(CA)が年収をアップするためには、勤務する会社によりますが以下のパターンがあります。

 

(1)社内でキャリアアップしていく

 どんな航空会社に勤務しても、勤務経験を積み、勤続年数が長くなるとキャリアアップのチャンスが訪れます。某航空会社では国内線乗務→国際線乗務→ファーストクラス担当→リードキャビンアテンダント→チーフキャビンアテンダント→管理職と昇格していくことができます。役職がつくと役職手当が付与されるので、確実に年収アップできるのです。また、契約社員の方は正社員へ昇格すると年収が上がります。自分の勤める航空会社での昇進・昇格を目指すことは給与アップに繋がります。

 

参考CAのキャリアアップに関する相談

CAから皆チーフパーサーになれるのでしょうか?

CA、アシスタントチーフ、チーフパーサー、、、会社によって名称が違うようですが、いわゆるチーフパーサーには、誰でもなれるのもなのですか?会社が優秀な人だけを任命するものなのでしょうか?CAのキャリ...

(2)待遇のいい会社に転職する

 航空会社は新卒だけでなく中途採用の募集も行っているので、今勤務している会社よりもよい条件の会社へ転職すると年収アップに繋がります。客室乗務員(CA)になりたいという夢を一旦は諦め、民間企業に勤務されていた方が中途採用に挑戦し採用されたというケースもあるくらいですので、現役のCAであれば安定した職場環境を求めて転職することも難しくはありません。

 

参考日系から外資へ転職してキャリアアップ

日系CAから外資系の転職について

日系航空会社で客室乗務員として働いています。新卒入社です。地方の国立大学で中学の教師を目指して勉強していましたが、友人が新卒で航空会社を受けるというのでつられて日系航空会社の客室乗務員職を受けたら...

 

この記事のまとめ

 今回は客室乗務員(CA)の年収相場についてご紹介しました。国内大手や外資系、コミューター系、LCCとそれぞれの航空会社で年収相場の違いはありますが、最近の傾向としては、中近東の航空会社の方が欧米よりも高給であり、外資の方が国内よりも年収が高い場合もあります。客室乗務員(CA)の待遇や給与については世界情勢などで変動もありますので、随時調べて情報を得る事が大切です。

 

 また年収を考える場合は、額面のみを考えるのではなく、必要なものが会社から支給されるか、自宅から出勤できるか、一人暮らしの場合は住む場所の治安やインフラが整っているか、福利厚生が充実しているか、などを合わせて考えることも必要でしょう。転職成功の際は、給与面ばかりでなく福利厚生や待遇面を事前にチェックしておくことも大切です。

 

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本記事は2018/04/16の情報で、内容は客室乗務員(CA)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

客室乗務員(CA)に関連する転職者の声

  1. 働きながらスクールに通い、憧れの客室乗務員に!
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