外資系航空会社の客室乗務員の求人事情
リーマンショックの影響でたくさんの航空会社が倒産の憂き目にあいました。これに伴い従来の欧米系のエアラインは採用がストップしました。その反面オイルマネーで浮上した中東系の航空会社、中国を中心としたアジアのエアラインの台頭が目立っています。
日本への乗り入れで日本人を取り込むために、日本人客室乗務員の採用をしています。60歳まで働くことが難しい外資系の航空会社は、そのエアラインの外国人枠(あるいは日本人枠)は、退職する人の分、補充が必要となります。訓練が必要な職業なので、突然ひとりだけ入社することは不可能で、常に複数名の採用となります。
- 中東系及び中国をメインとしたアジアの航空会社では、日本人の客室乗務員の募集がある。
日系航空会社の客室乗務員の求人事情
客室乗務員の採用は、昔から、全国からの応募者に対し一括して採用試験を行う形式で進められてきました。そのため応募者は、従来の学校推薦による一般企業の内定を取ることができませんでした。三次試験まであるため、合格には2ヵ月ほどかかりました。しかし、現在は就職活動そのものが早くから始まるため、たくさんの応募者が一度はチャレンジしやすい環境になりました。そのため、競争率は高いままです。
花形職業であるという印象を残すため、各CA専門学校の卒業生を必ず数名採用します。高給な仕事ではないことは既に有名ですが、それでも女性ならではのフィールドで活躍したい人が応募してきます。アベノミクス以降は、トラブルがあったスカイマークを除き、コンスタントに各社とも新卒、既卒ともに採用をしています。(2015年現在、スカイマークは全日本空輸の傘下に入ることが決まりましたので、これから安定してくると予想されます)
- 就職希望者は多く、今でも競争率は高い。新卒、既卒ともにコンスタントに採用が行われている。
LCCの客室乗務員の求人事情
日系航空会社による、客室乗務員を花形職業にするためのたゆまぬ努力の結果、LCCでも競争率は高く、現在おおよそ7000名の応募者が空いているポジションを血眼になって探している状況です。過酷な職場であることから辞めて行く人もいますので、求人は時々出ます。むしろこれからは不必要なサービスの一切ない、単なる移動手段としてのエアラインを求めている人も多くなります。
燃料会社、倉庫保管サービス会社などの他業種がLCCに参画してくることも増えました。日本には空港が多く、2015年現在では100弱もあります。定期便がなくなる一方で、中国と地方都市を結ぶ取り組みも出てきていますから、今後も採用の機会はあると推測されます。
- 過剰なサービスのないLCCの需要が高まりつつあること、過酷な職業のため退職者も多いことから、今後もLCCの客室乗務員は求人が出る。
本記事は2015/11/17の情報で、内容は客室乗務員(CA)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。