助産師の転職でもっとも重要になるのは履歴書、その中でも志望動機の書き方です。この記事では実際の助産師の方が書いた履歴書の例文「保育士を経験し、学校に通った後に新卒採用として産婦人科クリニックへ転職した際の履歴書」と「産科クリニックで5年経験があり、結婚や出産などブランク後に総合病院の産科病棟に転職した際の履歴書」を2つご紹介し、合わせて志望動機のポイントや例文についても詳しく紹介します。今後助産師として転職予定の方はご参考下さい。
目次
助産師の履歴書の例文1(保育士を経験後、産婦人科クリニックへ転職を希望するAさん)
まずは一人目の履歴書の例文です。保育士を経験後、看護学校3年と助産学校1年を卒業し、新卒採用として産婦人科クリニックへ転職を希望する女性の事例です。
①免許・資格
平成20年4月 保育士免許取得
平成26年3月 看護師国家資格取得
平成27年3月 助産師国家資格取得
- 社会人経験がある方は医療系の資格以外で持っている免許も全て書きます。
②特技・趣味・得意科目など
実際の文章
「保育士をしていましたので、ピアノが得意で趣味でもあります。幼い頃より習っており10年以上続けています。得意科目は母性看護と解剖生理学です。保育士の頃から子どもだけでなく母親のケアもしたいと思っておりましたので、看護学校時代、助産学校時代ともに母性看護学は得意科目でした。解剖生理学は、幼い頃から人の体の神秘や不思議を知ることが好きで、興味がありました。」
- 社会人経験を経て新たに学校に入ったという経歴がこの文章でも分かり、またその経歴が生かされる特技や趣味が書かれており印象に残ります。
③志望動機
実際の文章
「貴院は助産師外来や母乳外来に力をいれられているので、ぜひ学んでみたいと思いました。また分娩件数も豊富なので、学生の頃には出来なかった現場での学びを深めたいと思っております。さらに実習病院としてお世話になったとき、スタッフさんが笑顔で生き生き働いておられとても憧れを抱きました。私も貴院のスタッフとして、力になれるよう頑張っていきたいと思っています。」
ここでは、なぜこの病院を選んだかということも積極的に書きます。HPや病院見学などで得た知識を元に病院の特色に興味を覚えた、○○の取り組みに共感したなど具体的に書くとよいです。また、この病院で○○を学びたい、△△のような助産師になりたいなど心意気も豊富も入れるようにします。
④本人希望記入欄
実際の文章
「特になし。」
基本的にこの欄は「特になし」でも大丈夫です。
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助産師の履歴書の例文2(産科クリニックで5年経験があり、結婚や出産の後に総合病院の産科病棟に転職を希望するBさん)
続いて二人目の履歴書の例文です。産科クリニックで助産師として5年勤務した後、結婚と出産、引越しによりブランクを1年をあけて、総合病院の産科病棟に転職を希望する女性の事例です。
①免許・資格
平成20年4月 自動車運転免許取得
平成24年3月 看護師国家資格取得
平成22年3月 助産師国家資格取得
- 医療系の資格以外で持っている免許も全て書きます。
②特技・趣味・得意科目など
実際の文章
「趣味はマリンスポーツ全般です。サーフボードとダイビングは大学時代から続けています。休日が取れたら、沖縄へダイビングをしに行くことが楽しみで趣味でもあります。特技は習字です。小学校から続けており、字を綺麗に書くことを心がけるようにしています。」
- 趣味はないという人より活発に楽しんでいる人の方が明るい印象を持たれ、ストレス耐性もうまく取れる人と思ってもらえるので好印象です。ただし、たくさん書きすぎないようにします。あまり趣味が多いと自由奔放、仕事と両立してくれるのかなど詮索をされかねないので注意が必要です。字が綺麗に書くことができる、ウオーキングで体を鍛えている、早寝早起きなど誰が見ても好印象な趣味、特技は積極的に書いてアピールするとよいです。
③志望動機
実際の文章
「貴院は子育て中の助産師さんが沢山おられ、頑張っておられるので励みになりました。また、今までは産科クリニックで正常分娩を中心に扱ってきましたが、ここでは異常のある妊婦さんや赤ちゃんも沢山受診されるので勉強がしたいと思い志望致しました。また、県内唯一のMFICU(母体胎児集中治療室)も設置されており、最前線の医療を学びたいと志望致しました。」
- 今までの助産師経験があるからこそ見えてくるものがあるので、今までには出来なかったことを新たに挑戦したい意気込みを書くと好印象です。また、子どもがいると、どうしても配慮してもらわないといけない時があるので、子育て中であること、それでも頑張っているママナースを習って頑張りたいことなど前向きに書くことができるとよい傾向にあります。
④本人希望記入欄
実際の文章
「週4日程度を希望しています。日勤帯の勤務が可能です。院内保育園に入園できるようであれば入園希望です。宜しくお願い致します。」
- パート勤務、子育て中で出来ないこと、院内保育園希望など出来ること、出来ないことはきちんと伝えます。口頭でも伝えるようにします。
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助産師の志望動機の書き方ポイントと例文
上記で、履歴書の例文を紹介しましたが、その中でもやはり助産師の面接で重要になってくるのは志望動機です。
助産師から助産師への転職する場合の志望動機ポイント
助産師から助産師の転職の志望動機で多いのは「もっとお産を取りたい」「助産師外来をやってみたい」など、助産師としての向上心が見える志望動機です。助産師として働く人は、助産師の仕事に憧れや誇りを持ち、やる気のある人が多い職種と言えるので、この様な志望動機が多いことが特徴です。一方で、助産師は人間関係や不規則な仕事時間、ストレスフルなどの理由で1年~3年で病院を転々と、転職する人が多いのも実情です。
もちろん助産師の志望動機として良いのは向上心がしっかりと見える志望動機であり、助産師として転職先で今後やりたいことが明確になっている人、やる気のある人は採用されやすいです。しかし、時に自分の助産観が強すぎて病院のやり方を無視して「~をやりたい!」、「こんなお産をやってみたい!」など、自身の考え方を主張しすぎるのは禁物です。自分のやりたいことを明確にしながらも「勉強させてもらいたい」、「病院のこんな取り組みに共感した」など、謙虚さがみえる志望動機であると印象が良くなるでしょう。
助産師から助産師への転職する場合の志望動機の例文
前職では3年間大学病院の産婦人科に勤務してました。もともと命の誕生に携われる分娩介助をしていきたいという思いが強かったのですが、大学病院では分娩を担当できる数はとても少なく、転職を考えるようになりました。
貴院の自然分娩をメインとされていることはもちろん、分娩件数の月平均が50件程という点に興味を持ち、今回応募させていただきました。前職では中期中絶や帝王切開の手術介助などの経験もありますので、経験を活かしながら貴院に貢献していきたいです。
他職種から助産師へ転職する場合の志望動機ポイント
他の職種から学校へ通った後、新たに助産師を目指す人の志望動機は、自身の出産経験から助産師になりたいと希望する人や、看護師経験から改めて助産師への憧れを持ち希望する人が多い傾向にあります。
他職種から助産師へ転職を目指す場合の志望動機では、他職種からなぜ助産師を選んだのかということを明確にしっかりと伝えましょう。 さらに、助産師という職種への思いの強さと、さらに子育て経験や看護師などの他職種での経験を活かして、助産師としてこの病院でこの先○○をしていきたいというようなアピールは、病院側にとってもメリットがあり、好印象となるでしょう。
他職種から助産師へ転職する場合の志望動機の例文
子どもが好きで総合病院の小児科で5年間看護師として勤務しており、出産で退職しました。自身の出産時には、産後の体調不良や母乳のトラブルなどで助産師さんにとても助けていただきました。そういった体験から、自分も同じように出産をする女性のサポートをしたいという気持ちが強くなり、この度助産師の資格を取得しました。
貴院の妊娠・分娩の総合的なサポートはもちろん、妊婦さんに寄り添った産褥期のケアや助産師相談など積極的に行われている点に惹かれて、応募致しました。助産師は未経験ではありますが、小児科での看護師の経験を活かして貢献していきたいですし、貴院で助産師として成長していきたいです。
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本記事は2018/05/11の情報で、内容は助産師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。