人気の高い設計事務所での設計業務
建築士資格は主に設計業務が花形とされています。そのことから、建築士資格を取得後すぐに元の職場を離れて設計業務の仕事につきたいという人は非常に多くなっています。設計業務への転職を求める場合、建設会社でも設計部がありますが、今の日本では、設計、施工の分業が進んでいるため、ほとんどの人は設計事務所への転職を希望するようになっています。
設計事務所の場合、法改正で建築士資格が重要となったことから、欠員や増員で求人を出すところも多く、様々な事務所において建築士を求めるようになっています。しかしながら、設計事務所の求人ではスキルや実績が求められる事が多くなっています。
高い実力が求められる設計事務所の求人
建築士法の改正で、建築士の資格を持たないと実質的に設計ができなくなりました。そのため、多くの設計事務所では建築士資格をもった人材を募集しています。設計事務所では優秀な人材を得るために、建築士の中でも才能のある人材を求めています。
設計事務所で求める人材は、技術面において優れているだけでなく、設計者に向いている人、デザインの能力やセンスがある人といってよいでしょう。設計事務所で求める人は、建築士としての知識や経験をもちながらも主体性のある人物なのです。そこで、設計事務所への転職を希望する人は、自分の実務経験や実力を理解した上で設計事務所への転職に挑むようにしなくてはいけません。
設計事務所では、建設業界の中でも、最も高い実力やスキルが求められています。建設会社や住宅メーカーへの転職よりもハードルは高いものと言えるでしょう。そのことから、設計事務所に勤務したことのない人や設計を行なっていない人、全く設計経験がない人では、転職においてやや苦戦することにあります。
そのため、設計事務所を希望する人で設計経験の無い人は後悔のないように転職についてよく考えるべきとされています。もちろん、他業種で自分の腕を磨くことによって、将来的に設計事務所への転職のチャンスをつかむことはできます。
設計事務所での年収について
設計事務所で働く人の年収は、働く場所や会社、年齢、実務経験、保有する建築士資格によって異なります。例えば、建築士資格を持っていても経験が浅い人では他業種よりも年収は低いものとなっています。また、小規模な設計事務所が多い地方では、住宅などの小規模な建物を多く扱っていることから、年収は低めです。
逆に大きな建物を多く設計する事務所では、従業員が数百人以上もいる大規模な設計事務所が多いことから、年齢や経験にもよりますが、実力がある人になると年収が1,000万円を超えるという事務所もあります、
さらに、売れっ子の建築家などが主宰する設計事務所で働いた場合、収入面においては満足できる場合が多いようです。また、有名建築家の中で働ける環境では仕事も充実しているようです。
建築士の年収は、平均600万円程度といわれていますが、小規模で地方の設計事務所ではもっと低く年収は400万~600万円ほどとなっています。逆に大都市を拠点とする大規模な設計事務所では年収が高めです。
大手と中小で異なる勤務時間
設計事務所には様々な職場があります。大規模な設計事務所があれば、数人しかいないような設計事務所もあります。日本の設計事務所の多くは、需要から見ても住宅などを扱うところが多く、小さな事務所が多くなっています。建築士事務所として登録する設計事務所は1級建築士事務所ばかりでなく、2級建築士事務所もたくさんあります。そのことから、設計事務所への転職では、小規模の設計事務所に転職することも多いことでしょう。
中小の設計事務所の仕事は、一般的な働き方ではないことも多いことを理解しなければなりません。納期に間に合わせるために残業が多くなったり、徹夜を行なうこともあります。繁盛している設計事務所では、人手不足でとにかく忙しいことから、残業や休日出勤ということも多々あります。このように小さな事務所において忙しくなると勤務時間は非常に長くなります。
しかし、設計事務所で働く人の多くは設計を行なうことに喜びを感じています。残業があっても気にせずに仕事をしている人がほとんどといってよいでしょう。勤務時間が気になる人は、大手の設計事務所への転職を希望した方がよいかもしれません。大手の場合、勤務時間面や労働条件がある程度整っていることが多くなっています。
本記事は2015/10/16の情報で、内容は建築士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。