不動産ファンドのバリュエーションの求人
- バリュエーションとは
不動産ファンドが不動産を取得する時に、どの程度の価格で購入するのかを算定する仕事です。理論的には「積算価格」という概念がありますが、不動産ファンドの場合は「収益価格」が重視されます。対象となる不動産がどれだけのキャッシュフローを生み出しているのかに着目して評価した価格の事です。
従って対象となる不動産が生み出すキャッシュフローを余すところなく把握し、空室があれば、それがどの程度の賃料がとれる可能性がある空室なのか見積もり、そもそも空室率がどの程度で推移するのかを推定するなどといった作業が必要です。もちろんそれらの想定は当てずっぽうではなく、きちんとした根拠に基づいて、算定されるものでなければなりません。
- バリュエーションは人材として何が求められるか?
上記のように、価格の算定には多分に見積りや推定が入ります。それらをきちんとした根拠をもって行う為には、そもそも同種・同等の不動産がどこに所在して、賃料の相場情報がどの程度なのか、という情報等が必要です。こうした情報は自分でヒアリング等によりある程度調査する事もできますが、実際のテナント賃料等の情報は守秘性が極めて高く、公開はされていません。従って仲介会社や調査会社とのネットワークは重要で、情報をまとめてキャッシュフローを素早く算定し、価格評価を行う能力が必須です。
なおキャッシュフローを算定した後は、どの程度の利回りで同種・同程度の不動産が取引されているかを参考にしながら、対象物件の利回りを確定しますが、この利回りに対する感覚も問われます。「丸の内・延べ床3,000坪・築10年のオフィスなら利回りは、今の市況であれば3.5%くらい」などといった感覚を持っている事も重要です。
- 正確な価格を算定するわけではない
不動産には「一物四価」と言われるように、様々な側面から算定される価格が存在します。いずれも目的に応じて用いられるものであって、どれかが正解という事ではありません。不動産ファンドで行うバリュエーションも、投資対象を取得するという目的の為に行うものであり、未来永劫その価格で取引される、といった正確さを求められるものではありません。取得を確実にする目的で価格を高めに出す為に無理やり理屈をこじつける、といった強引さが必要になる局面もあります。表だってそう表現される事はまずありませんが、そういった事にも柔軟に対応できる人材が求められていることもあります。