海外法人(営業所)のチェックで渡航する
海外勤務を前提にした法務担当の求人は、その旨明記された求人になっていますが、日本法人に雇用されてから出張ベースや短期派遣で海外勤務となる法務の求人は、求人詳細にはあまり書かれることがありません。
しかし、意外と法務という仕事の特性上、海外に携われることはあります。この場合は、もちろんその会社が海外拠点を持っているということが基本です。海外拠点が営業所にしろ海外法人にしろ、海外でビジネスをするには法務問題をクリアできるスタッフの現地での配置が必要です。日々の営業契約や総務系の契約はそのスタッフによって処理されていきますが、その内容は本社である日本法人の法務担当が必ずチェックを入れているというのが基本です。
海外拠点では信用できる現地スタッフを責任者とするか、日本から責任者を送り込むかですが、どちらにしても定期的に業務内容を管理チェックをしないと、不正につながる危険性を常にはらんでいます。仮に、その業務チェックを法務担当として任されたら、日常は日本にいてチェックしますが異常を発見したら早々に現地に入ります。また、少なくとも年度決算時には必ず渡航し、契約書類の実物を監査します。
- 海外拠点を持っている会社の場合、海外に携われる可能性も。
海外の法務的リスクは現地入りしてチェック
海外拠点の法務的リスクは本国以上です。仮に契約書の文面に問題がないかどうかを日本でメールやコピー添付でチェックしたとしても、実際に交わされた契約書の代表者のサインが本物であるかどうか、契約書類の保管状況に問題がないか、承認印や決済ルートに内部チェックがかかるようになっているかどうかは、海外出張によりすべて現地確認で行います。
出張期間は、監査をするとなると帳票類、伝票類を現地スタッフと一緒に1枚1枚チェックしますので、最低でも数日は要します。
- 海外拠点の法務的リスクは本国以上。海外出張によりすべて現地確認で行う。
海外法人と直接やりとりして場合によっては出張
海外に携われる法務求人のもうひとつの例は、海外拠点がなくても日本でのビジネスが輸出入業務があるなど、海外接点があるということです。
契約は海外法人と直接する場合もあれば、その海外法人の日本支社を通じてする場合もあります。使う言語が日本語か外国語かは別にして、通常は日本にいて仕事をしますが、契約上のトラブルが発生したら、直接現地に赴くことになります。
ただし、トラブル内容と力関係によっては対象国の担当者を日本に呼び寄せることになるので、即出張とはなりません。この場合、ある程度以上の語学力があることが前提です。
- 海外拠点がなくても、輸出入業務を行っていたりと海外に接点のあるビジネスであれば、携われる可能性も。
本記事は2015/11/12の情報で、内容は法務としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。