雇用の安定した正社員が企業へのロイヤリティも高まる
法務の求人は、ほとんどの場合が正社員求人です。理由はいくつかありますが、法務の業務には継続性があるということがまずあります。
継続性とは、たとえば一度発生した問題の解決や、その後の再発防止策などはかなり長期間の仕事になるということです。また、許認可やライセンスについては取得から更新までの業務サイクルが2.3年から数年となり、雇用期間に定めのある契約社員は馴染まないというのがその理由のひとつです。
また、期間に定めのある雇用はどうしても企業へのロイヤリティーが正社員に比べ強くありません。法務という機密性の高い業務を扱うには、雇用が安定し守秘義務を守ってくれる正社員がどうしても求められます。
- ほとんどの場合が正社員での雇用となる。
契約社員の目的に合う業務は法務には見当たらない
法務業務の特徴で継続性があるということの他、ルーティンワークが少ないという特徴があり、これは契約社員での対応の難しさに繋がります。
契約社員を雇用する目的は、定型的な特定業務に特化して任せ人件費効率を上げることです。しかし、法務の仕事にはそういった目的に合う仕事はありません。たとえば、定型的文章の契約書はありますが、これを事務処理的に締結処理をすることができるかというとまず無理です。
契約の相手方が変わればケアポイントも変わり、契約内容が変わるのが普通です。その他の法務案件を見渡しても、その都度の判断が求められる業務がほとんどで、そこに「仕事内容を固定」した雇用契約を結ぶことはまずもって無理です。
- 仕事内容を固定した雇用契約を結ぶことが難しいため、契約社員での雇用は少ない傾向にある。
法務業務で契約社員求人をする場合
それでは、法務業務での契約社員求人がまったくないかというとそうではありません。法務業務には、常に煩雑な事務作業、事務手続きが伴います。契約書の修正は、ベテランの法務担当ともなれば微妙な言い回しの誤謬にすぐ気付き加筆や削除をしますが、作業的にはリライトして起案者に修正案として回付しなければなりません。また、ライセンス更新の業務があるとして、必要な手続きをする中で、法務局への手続きや書類申請で足を運ぶことになります。
これらは、法務専門職にとってはできれば誰かにアシスタントとして補助してほしい業務です。強いて言えば、こういった仕事を契約社員で雇用することはないとは言えません。一般事務的な範疇の仕事ではなく、それなりの専門用語の知識とか経験がなければできない仕事でもあります。
ここに、法務担当の契約社員求人ニーズはあります。そして、企業によっては最初、法務担当アシスタントの契約社員として採用し、将来は正社員への転用もある旨を求人票に書く場合もあります。
- 法務担当のアシスタントという位置づけであれば、契約社員の需要もある。
本記事は2015/11/12の情報で、内容は法務としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。