日系と外資の違い
広報の年収は、日系企業は大手企業といっても一般的な給与体系が普通であり、PR会社においても同様と言えます。理由としては、広報という仕事や職種の重要性が日本市場においてまだ確立されていないということが挙げられます。
その一方で、外資系の企業においては広報の重要性がかなり認知されていることもあり、ポジションによっては高年収で採用されるケースもあります。広報の求人で高年収の採用がオープンになるのはまれですが、経験豊富な人材であれば年収2000万近くの採用も十分にあり得ます。
高年収といわれる業種
よく市場に出てくる広報の求人で高年収と言える業界は、主に製薬会社、IT大手企業、外資系の金融系、消費財の一部企業などと言われています。理由は、広報に求める所掌範囲が広く、戦略面やメディアエンゲージメント、グローバルチームとの連動など、一般的な企業が求める広報像を超えた人材やスキルを求めるからです。中でも製薬会社と一部の消費財の企業では、特にディレクターやシニアマネージャーになるとかなり高年収で、インセンティブやストップオプションも業績に応じ付与されます。
ただ、退職や転職により、そのポジションが空かない限り、市場に求人が出ることはほとんどありません。また、出たとしてもまずは、企業が契約しているヘッドハンターや人材関連企業へ先に話が行くため、一般的な担当者が知るのはかなりレアなケースです。
広報の採用ポジション別にみる収入の違い
同じ広報担当といっても、一広報担当者とマネージャー、ディレクターでは当然収入の面で違いが出てきます。特に一般の広報担当と管理職にあたる広報のマネージャークラスの違いは大きいです。また、同じマネージャーであっても求められるスキルやコミュニケーション能力、グローバルとのかかわり方の違いにより、当然変わってきます。
マネージャーを統括するシニアマネージャーやディレクタークラスになると、会社の方向性を決める戦略や社員への説明責任、リスクマネージメントなどをはじめ、育成や他部門との調整など一段上のマネージメントスキルを求められるためさらに高収入になります。
なぜ一部の企業の広報ポジションが高収入なのか?
広報担当を重要視している企業は、それだけメディアや世論にさらされているといえます。対外的なパーセプションを変え、ニュートラルなイメージを維持することが求められると同時に、これらの業種は、規制と非常に関連性が強い業種とも言えます。
例えば製薬会社の場合、薬事法をはじめとする法令や関税など幅広く知識や見識が必要なだけでなく、対象とするメディアの範囲も監督官庁の記者クラブから社会部まで、多岐にわたります。加えて、リスクマネージメントなど通常の広報では可能性が低いネガティブな情報のコントロールなど求められる内容が高度であるため、高収入になることが多いと言えます。
本記事は2017/03/21の情報で、内容は広報としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。