「転職したい」と思ったことのある理学療法士は少なくはないでしょう。しかし、職場を変える(転職する)ことは新しい一歩を踏み出すことでもあり、躊躇してしまうこともあります。ここでは、どのような転職パターンがあるのか、転職とその志望動機について、いくつかの例を挙げていきます。
スキルアップのための転職
資格取得後しばらく働いた後に、違う分野も覗いてみたいといった気持ちを持つ理学療法士も多いです。こういったケースでは、それまでに培った経験や知識を次の転職先でも生かせるようにアピールすることが大切です。
例えば、「後輩の育成やマネージメント・管理業務に携わっていきたい」などの具体的なところから、人間性を求められる「自分自身の成長」「共に働くスタッフのスキル・人間性の成長」なども、転職先が求めているものの一つになっています。
医療分野から介護分野への転職
理学療法士の多くは、学校卒業後に病院やクリニックなどの医療保険分野で働いています。しかし、介護保険制度導入により、今後は入院・入所よりも在宅生活へシフトすることが予想されます。入院期間の短縮や在宅生活の推奨も国が勧めているため、今後はさらに介護保険分野でのリハビリの必要性も増え、理学療法士の需要が拡大していくことが予想されます。
医療保険分野と介護保険分野では、理学療法の内容にも若干違いがあります。機能レベルへのアプローチから能力レベルへのアプローチ、ご本人だけではなくご家族やケアマネージャーとの連携など、介護保険分野では人間性の垣間見える場面もより多くなります。
例えば、それまで病院に勤務していたが、患者さんとの関わりの中で在宅への可能性を感じ「在宅の分野を学びたい」「生活環境での指導をしたい」と考えるようになる方も多いです。そういった場合は、医療保険分野から介護保険分野へ転職することによって「何を学びたいか」「どういったことに貢献できるか」を明確化しておくと良いでしょう。
生活状況の変化や心理的状況の変化による転職
- 生活環境の変化に伴う場合
現在は、女性理学療法士が増えていますが、結婚し配偶者の職場に合わせて転居をする方も少なくありません。転居先から通勤可能な距離はどの程度で、またそれ以前にどの分野で働きたいのかを決めておくことが大切です。
また、結婚後妊娠・出産する場合もありますが、産休や育休を取得しやすくなっている今は、子供の成長に伴い、常勤で働くかパートで働くかの選択も考える必要があるでしょう。子供の養育環境を考え、親に協力を求めることが出来るのか、保育園の開園時間なども確認し決定していくことになります。
高齢化社会になっている現在は、子育てだけではなく、親の介護でも同じようなことが増えつつあります。どんな状況においても、自分にはどのスタイルが合っているのか、転職するためには環境を考慮する必要があります。
- 就業環境の向上を希望しての場合
大人数の理学療法士が在籍している病院から少人数の理学療法士が在籍している環境へ、もしくはその反対に、少人数のところから大人数のところなど、違った環境での就業を希望するための転職もあります。
病院から病院、病院から施設など色々なパターンが考えられますが、こういった場合には生活環境の変化に伴った転職とは違い「目的を持った転職」「前向きな転職」をアピールするためには、その転職動機をさらに明確にしておく必要があります。
本記事は2017/02/22の情報で、内容は理学療法士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。