FPを営業ツールに使っている会社に注意
FPの知識を活用するには、生命保険や損害保険、証券、不動産、建築など、様々な仕事と会社があります。しかし、「どれだけ顧客の方を向いているか」という距離感は、それぞれの会社で大きな違いがあります。そしてそれこそが、会社を選ぶ時に重要になってきます。
例えば、ある建築会社では先祖代々の土地を持つ地主さんを相手に営業をしていました。土地に建物を建てると固定資産税や都市計画税の削減となり、また建築においては不動産取得税や印紙税の知識を活用するため、FPの知識を幅広く使います。顧客に対して、噛み砕いて説明をするFPとしての矜持を持つこともできます。
ただし、それが「顧客満足度を一番に考えたものなのか」それとも「いかに賃貸マンションを建てるかという企業満足度が優先しているものなのか」によって、大きな違いがあります。顧客が満足してなくても、FPからの説明であるという専門家色を出して、顧客に説得する企業は少なくありません。
今回の例では、結果として顧客には多額の借入金が残り、空室の目立つマンションという「負の遺産」を合わせて抱えてしまいました。もちろん建築会社の全てがこうではありませんが、こういったことは大きな社会問題です。
FPとして転職先を探す際は、企業本位の会社を選ぶのでは無く、お客さん目線に立ったアドバイスができる会社を選ぶことが大切です。
経営者や営業担当者がFP資格に理解があるかをチェックする
「FPとして顧客満足を追求できる会社なのか」それとも「売上確保のためにFPを活用したいと考えている会社なのか」はどのようにして見極めるべきでしょうか。
それには、経営者や営業担当者がFPをきちんと理解しているかをチェックすると良いでしょう。仮に経営陣がFP資格を所有していなくても、FPという仕事に理解さえあれば問題無いでしょう。ただし、「FPがあればたくさん商品が売れる」というような考え方があるならば、その会社への転職は控えた方がベターでしょう。
もちろん、当初はその考えを表には出さず転職後次第に「表に出してくる」ケースもあるため、100%見抜くことはできません。しかし、転職前の面接時などになるべく質問をするなど、その会社の経営者がどのような考えなのかを見抜くように心がけることが大切です。
- お客さん目線ではなく、会社の利益を優先するような会社の求人は避けよう。それには、経営者の考えを転職前に見抜くことが大切。
本記事は2017/02/02の情報で、内容はファイナンシャルプランナー(FP)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。