臨床開発モニターに向いている人
- 話をするのが好きな人
臨床開発モニターの業務で重要なこととして、医師や治験コーディネーター、事務局担当者とのCommunication(相談する、交渉する、議論するなど)があります。メールでのコミュニケーションも重要ですが、実際に面会したり、電話でのコミュニケーションの方が重要なことが多いです。メールは文字で情報を送ることができるため、正確な情報伝達や証拠能力がありますが、一方的なコミュニケーションとなります。
一方、面会や電話でのコミュニケーションの場合は、相手の反応を確認しながら進めることができます。加えて信頼関係を形成するためには、有効なコミュニケーション方法です。したがって、話をすることが好きな人は、臨床開発モニターに向いています。
「話をすることが好きな人」というと、「会話が上手な人」と想像する人もいるかもしれませんが、必ずしも会話が上手な人だけが臨床開発モニターに向いているわけではありません。会話が上手な方がより有利なのは確かですが、会話が下手な人であっても、要点を上手く伝える、一生懸命である、誠実であるということから、信頼を獲得し、臨床開発モニターとして優秀な成績を収めている人もいます。
- 積極性や向上心がある人
臨床開発モニターの仕事は、待っているだけでは全く進みません。業務を見てみると、ほぼすべてが臨床開発モニターのActionで開始されます。
例えば、施設調査の訪問するためのアポイント取得は、臨床開発モニター(臨床開発者モニター以外の場合もあります)が連絡します。症例登録が順調に進んでいない場合、臨床開発モニターから医師や施設に対して積極的にActionを起こす必要があります。臨床開発における多くのプロセスなどは臨床開発モニターから始まることが多いため、積極性は重要であり、必須となります。
また、臨床開発や医療の世界は日々研究がなされており、日々進歩しています。医師はこのような新しい情報を貪欲に求めています。臨床開発モニターもこのような情報を得て、知識を蓄積・向上させることで、医師とのコミュニケーションがより円滑に進み、信頼獲得にもつながります。したがって、向上心は非常に重要です。
- 面会や電話での会話から信頼関係が生まれるため、話をするのが好きな人、自ら行動できる積極性や、医療の新しい情報を常に仕入れる向上心のある人が向いている。
ルーズな人は向いていない
臨床開発モニターに一番向いていない・適性のない人は、ルーズな人です。ルーズ(ruse)の意味は、だらしがない、規律を守れない、ずぼらというものがあります。
施設(病院)を訪問する際、訪問に適した服装、言動をとれない(だらしがない)と、最悪のケースとして出入り禁止にされます。また、GCPや各種法律、各種SOP(Standard Operation Procedure:様準業務手順書)を守れない(規律を守れない)と、GCP違反やSOP違反のために担当者交代というケースも想定されます。アポイントの時間を守れない、約束を守れない、メールを読まない/返信しない(ずぼらである)と、臨床開発モニターとしての基本的な業務を行うことはできませんし、信用を得ることは到底できません。
本記事は2017/01/13の情報で、内容は臨床開発モニター(CRA)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。