旅行代理店って斜陽産業なの?
旅行代理店に限らず、旅行業界に関して「右肩下がり」「将来性が見込めない」等、ネガティブな評価が存在します。
大きな理由は1つ、特に対面式のカウンター販売などはその傾向が顕著ですが「代理業」を通じて予約をする必要性が無くなってきつつあるからです。今や、航空券もJR券もネットで割引料金が販売され、宿泊先はそれぞれのホームページで安値で予約できるところもあります。今後どんどん不要になりゆく印象の旅行代理店ですが、その中で将来性が高いとみられる分野をご紹介します。
- 高齢者をターゲットにした商品
今の、旅行代理店のメインターゲットとして挙げられるのは、高齢者です。70歳前後となったベビーブーマーの多くは、時間も金銭的にも余裕があると言われます。また、旅行自体が一般的になりつつある過渡期に青春時代を過ごした層であり、旅行自体にも意欲的です。これらの高齢者に対応することのできるカウンタースタッフを養成することが、今後生き残る旅行代理店の経営方法の1つでしょう。
- 減っている学生は取りこぼせない
少子化と言われていますが、子供、特に中高生もターゲットの一つです。家庭の子供が少ない今、教育費に余裕がある層が存在します。また小学校から英語が義務教育になり、海外へ対しての意識は今までにも増して強くなっています。長期留学は勿論、夏休み期間だけの短期留学なども脚光を浴びてきます。
学校によっては、希望者全員で3~4週間の研修を企画していて、個人での渡航以外に、教育旅行の分野でも対応が必須です。留学経験のある、または語学力のあるスタッフは、保護者や学校から信頼を得やすいでしょう。このあたりも需要のあるマーケットの1つです。
- 訪日外国人への取り組みは早急に
2015年、初めて日本へやってくる外国人の数が日本人が渡航する数を上回りました。しかし、旅行代理店として、その収益をしっかりと確保できているとは言えません。爆買いが一段落し、訪日旅行のリピーターを作る策を講じなくてはいけません。買い物、京都、富士山、秋葉原以外の日本の魅力を、現地の旅行会社へ訴求できるスタッフが必要です。
これから生き残る旅行代理店とは
今まで通り、パンフレットに載っている宿と交通だけの組み合わせを売っている代理店には将来性が薄いと言いざるを得ません。今後生き残るのは、今何が売れるのか、世の中が何に興味を持っているのかを見抜き、それを商材に変えることのできる会社です。
企画担当は、ただその場所に行くだけではなく、テーマ性を持った、何かを体験して得ることができる旅を創造することが必要です。旅行は形に残らない商品です。個人・団体旅行の販売担当も、どうすればより心に残る旅行になるかどうかを考え抜く力が求められます。