新卒のグラフィックデザイナーは、出身校を見た際に2つのパターンに分けることができます。芸大や美大などの「芸術系大学・専門学校出身者」か「それ以外の学校出身者」です。
前者は色彩感覚や作品の作り方などグラフィックデザインに関するさまざまな知識を身につけていることが多いですが、後者は未経験者と同じ扱いになることもあります。ここでは、出身校別の求人事情について確認していきましょう。
芸術・美術系大学や専門学校出身者の新卒求人
グラフィックデザイナーの新卒求人の大半が、芸術・美術系大学や専門学校の出身者に限られます。求人欄にもそう明記してあることも多いでしょう。芸術系大学・専門学校とは、デザイン・油彩・日本画などをはじめとした、様々な芸術科目のそろった大学のことです。
受験時には学力の他に、デッサン力や色彩能力をみる試験があることが多いです。グラフィックデザイナーをはじめ、絵を描く仕事や映像に携わる仕事などを目指す人が通います。学科によって学ぶ内容は異なりますが、デザインセンスを磨いたり、色彩や構図、作品制作について、またデザイン系ソフトの使い方など、さまざまな芸術系の知識を学び、技術を伸ばします。(なお芸術系とはいえ、音楽系の芸術系学校は対象外となります。)
芸術系の学校出身者は、基本的な知識や技術を身につけているとみなされるため、グラフィックデザイナー職の新卒求人の中では企業側からの需要が高くなっています。
芸術・美術系学校以外の出身者の新卒求人
芸術系学校以外の学歴を持つ人の新卒求人ももちろんゼロではありません。求人数自体は若干少ないかもしれませんが、教育がしっかりしていたり、一から学んでもらった上で仕事をしてもらおうと考えている企業やプロダクションから求人募集が出ています。
大学などを卒業後、未経験でグラフィックデザイナーのアルバイトをしながら芸術系の専門学校などに通う人も多いです。大切なのは、知識をどこでつけるかということです。芸術系学校以外の学校出身者でグラフィックデザイナーを目指す人は、知識を企業で学ぶことができるのか、スクーリングするのか、きちんと考えて就職活動に臨むことが大切です。
また、芸術・美術系学校出身でないからといって、就職活動に失敗することはありません。知識が足りなく、未経験だからこそのやる気やモチベーションをアピールすることも大切です。
- グラフィックデザイナー職の新卒求人は、知識・技術の備わっている美術・芸術系学校の出身者限定の場合がほとんど。
- 一般の学校卒業者を新卒採用している企業もあるが、そういった場合は働きながら知識・技術を取得するか、別途専門学校などで勉強する必要がある。
本記事は2016/12/15の情報で、内容はグラフィックデザイナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。