業界再編の動きが加速している地方銀行
地方銀行は、ネット銀行などの台頭により、例えば住宅ローン金利の低さはネット銀行には勝負にも至らないほど魅力面で負けてしまうなど、サービス競争が加速し、経営が難しい状況になっています。
さらに追い打ちをかけたのが、2016年発令の日銀のマイナス金利の導入です。実体経済の成長を実感できないと中小企業の資金需要は低下傾向にありますが、マイナス金利の導入により、さらに利ザヤを稼ぐのが難しい状況になりました。
体力のある銀行は合併で生き残りをかけた動きに出ています。転職を検討する上で、地方銀行の体力はどうなのか、営業地域エリアは今後も人の入れ替わりがあっても活性化していく地域かなど、見極めていくことは重要です。また、合併した場合には社内昇進の競争も激化する可能性があることも念頭においておくことも地方銀行への転職を希望するには重要なポイントになります。
- 銀行業界の競争激化や金利動向などにより地方銀行は合併などの再編の動きが出ている。
地域密着営業のスタイルにどれくらい共感できるか
地方銀行は、その地の出身者を採用したがる傾向にあります。遠方からの採用は、例えば親の介護が必要になった場合、離職する可能性なども考えられ、銀行にとっては人材を失うリスクになるからです。
地方銀行の営業エリアがどのくらい好きなのか、その地域に根差した営業にどのくらい共感と熱意をもっているかを面接などでもみている銀行が多いです。地域でのお客さまの資金インフラの役割を果たすことは勿論、地域のボランティアや祭りの運営サポートなど休日に参加する行事を年に何度か行っている銀行もあります。地域のためにどういった取り組みをしているか、事前に調べておくことも大事です。
- 地方銀行の採用では公私含めて地域密着型の価値観を持てるかが大切。
フィンテックなど新規事業の取り組み
新しい事業の取り組みにはコストもかかるため、地銀単体で取り組むには負担が大きいものもあり、大手銀行と比較すると取り組みスピードは遅れる傾向にあります。フィンテックなど新しい金融サービスへの取り組みも、何行かグループで取り組むことでコスト軽減を図るなどしています。
そのため、大手銀行ほど積極的ではありませんが、IT分野に強い人材確保も必要ではあるため、中途採用を今後していくことが予想されます。
- 採用のスピード感はメガバンクなどには劣るもののIT分野の採用なども増えることが予想される。
本記事は2016/11/30の情報で、内容は銀行員としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。