<この記事のまとめ>
- 運送業界においては、一度従業員として働きノウハウ等を得たうえで独立するケースが多い(独立の数自体は多くない)。
- 開業にはやはりそれなりの資金が必要。一般的には車両数台のようなスモールスタートが多い。購入費だけではなくランニングコストもかかる車両の台数は、受注できる業務量も勘案し、適切な台数であることが大切。
- 取引先の確保は重要だが、前の会社に迷惑をかけないよう、業界のルール・マナーについてもしっかり遵守しておく事が大事。
運送会社で従業員として働いた後に独立・開業する
運送会社に勤務したのち、独立・開業へと進むケースは多くはないもののあります。まずは雇用される側として勤務してノウハウなどを学び、それから独立を行う事はある意味で無難な独立の仕方だと言えるかもしれません。
運送業は外から見ていても分からないことも多く、特に古くから横や縦の繋がりで仕事の受発注を行っているところも多い業界なので、ノウハウの蓄積だけでなく、人脈の形成などにおいてもまずは従業員として働き、そうした基盤を築いてからの独立は1つの選択肢と言えます。
独立にはそれなりに資金が必要に
運送会社として独立・開業を行うためには、やはりそれなりの資金を必要とします。どの程度の規模でどの程度の業務内容を行うのかによっても大きく変わってきますが、車両の購入などはやはり多額の資金を必要とします。
また、人材の確保や事業所の準備など多岐に渡って費用が掛かるため、一般的に考えているよりも資金は必要だと考えておく必要があります。ただゼロからの独立ではなく、ある程度の人脈や取引先がある場合のスタートであれば、まずは小規模のスタートにすることで最低限の資金から始めることも可能になります。
車両数台からのスタートが多い
一般的に独立にあたっては、まずは数台の車両から事業を始めるケースが多いようです。運送会社における車両の購入は、当初の購入費用だけでなく、その後の維持費にも大きく関わってきます。維持費は毎月の固定費になり大きなランニングコストとなるため、必要以上の車両を保有することは得策ではありません。
しかしながら、同時に無理のない運行が可能な車両台数の確保も必要となるため、その辺りの見極めは大きな課題となるかもしれません。
良好な取引先との関係性を築くことが大切
独立・開業にあたって大きな問題となるのが取引先の確保です。十分な仕事量が無い中でスタートすることは開業にあたってある意味で仕方のない事かもしれませんが、同時に運送業は多くの維持費がかかる業種でもあるので、多くの開業資金を用意できない場合はダイレクトに経営状態を悪化させます。
開業にあたっては取引先の開拓や人脈の構築などを、事前に十分に行っておくことが大事です。しかし、前職や前勤務先とのしがらみなども十分に考えられるため、その辺り関しても問題の無いようにしておくことも重要です。古くからの体制を重んじる会社もまだまだ多い運送業界の中で、特に決まりがあるわけではなくとも暗黙の了解的なルールがあったりもして、そうしたルールを破ることで人脈や業界での良くないイメージを与えてしまう事もあります。
独立・開業にあたっては、人脈や取引先の構築が最優先課題となる一方で、こうしたルールにおいても無視する事なく、良好な取引先の関係を築いていくことも大切です。