2人目の履歴書のサンプルです。
特別養護老人ホームの介護職員からケアマネジャーの転職を希望する29歳Bさん(女性)
平成22年に四年制大学の社会福祉学部を卒業後、特別養護老人ホームに就職。介護職員として経験を積み、ケアマネジャーの資格取得に必要な実務研修を受講、試験合格を果たし、ケアマネジャーとして勤務できる職場への転職活動を行っている事例です。
①免許・資格
平成22年1月 ホームヘルパー2級 取得
平成23年3月 社会福祉士 取得
平成23年8月 普通自動二輪車免許 取得
平成27年3月 介護福祉士 取得
平成28年1月 介護支援専門員試験 合格
②趣味・特技
実際の文章
「剣道、バレー(学生時代は体育会系の部活に所属するなど、体を動かすことが好きでした。)
編み物と彫刻(学生時代から続けています。細かい作業は苦ではありません。)
カラオケ(週1回程度通い大きな声で歌うことで、ストレス発散しています。)」
- 20代の女性ケアマネジャーという希少な人材であり、社会福祉士を取得している点からもポテンシャルは高く評価されます。その点を考慮した上で、カラオケでストレスを発散しているという記載は若々しさも出ており好印象が期待できます。また、編み物や彫刻のようにインドアな趣味に加えて、体育会系の剣道やバレーという活発な一面をのぞかせている点も良いアピールになります。
- 注意点を挙げるとすると、カッコ書きの部分は30代後半になってくると幼稚だと捉えられる可能性がありますので、例えば剣道にスポットを当てて「剣道(高校から10年間継続し3段を取得しました)」の方が良いです。また、ストレス発散方法を持っていることは決してマイナスではありませんが、カラオケを趣味と位置づけてしまうのは賛否が分かれるところです。
③健康状態
実際の文章
「良好。」
④志望の動機
実際の文章
「・ニーズが多様化している時代で、どのように対応するべきかを真剣に考え、これまでの経験を活かす機会にしたいと思いました。
・介護の仕事を通して学んだことや経験したことがケアマネジャーとして活かせると思っています。
・「地域社会や高齢者の生きる社会」とは何かを考え、社会資源や地域ネットワークの構築に携わりたいです。
・社会福祉士や介護福祉士、介護支援専門員を活かして自分の成長につなげられる働き方を目指したいです。」
- 志望動機を箇条書きにして伝えたいことを明確にしている点は評価できます。必ずしも箇条書きが良いということではありませんが、文章がまとまらないようなら箇条書きでも問題はありません。
- 内容については、全般的に抽象的すぎる点が気になるところです。「ニーズの多様化」や「社会」、「地域ネットワークの構築」などは福祉系の書籍でよく見られる言語ですが、実際にどういったものかは示されていないことが多いです。また、深く研究したことが無いにもかかわらず記載してしまうと、面接で「ニーズの多様化を具体的に」とか「あなたの考える社会の問題とは」あるいは「地域ネットワーク構築の障害について」など質問攻めにあって知識不足が露呈してしまう可能性もあります。広い視野を持っていること、大きな目標を持っていることをアピールしたい場合でも、もう少し面接で受け答えができる内容にしておいた方が良いです。
- 逆に十分な知識があるようなら、具体的な問題点と自身がどういう働き方をすれば問題が解決されると考えているかを記載して、面接で意見交換することを期待しても良いです。入職前に施設や事業所の考え方を聞く機会になる可能性もありますので、自分にとっての判断材料としても活用できます。
⑤本人希望記入欄
実際の文章
「特にありません。」
本記事は2016/09/28の情報で、内容はケアマネジャー(介護支援専門員)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。