ケアマネジャーの方が転職時に書いた実際の履歴書をもとに、注意点を解説していきます。
在宅サービス管理者からケアマネジャーへの転職を希望する49歳Aさん(男性)
専門学校を卒業後、デイサービスセンターやヘルパーステーションを経験してケアマネジャーを取得。事業所の管理職を経験するも、事業所が閉鎖して転職することになり、現在は派遣職員として病院の通所リハビリテーションに勤務中です。給与が低く生活が厳しいためケアマネジャーの正規職員を目指して転職活動中のケースです。
①免許・資格
昭和61年3月 普通自動車第一種免許 取得
平成7年8月 ホームヘルパー2級 取得
平成24年4月 介護福祉士 取得
平成27年12月 介護支援専門員試験 合格
②特技・趣味・得意科目など
実際の文章
「ブラックバス釣り、アウトドア全般(テント泊のバーベキューキャンプ)」
- 福祉業界を志望する人のほとんどは「特技・趣味・得意科目など」の項目を重視していません。人によってはありきたりな「読書」「音楽鑑賞」「映画鑑賞」などと書いている人もいますし、空白の場合も決して珍しくありません。採用する側も、特技や趣味の欄が空白であったとしてもそれほど気にすることもないので、変に強調しなくても良いです。
- ただ、注意したいのは、求人を滅多に出さないような大規模な企業や法人の場合です。中小規模は人柄や資格を重視する傾向にありますが、組織が大きくなると最低限の「社会常識」を重んじる傾向にあります。明らかに競争倍率が高そうな事業所や施設を受けようとするのであれば、少し記憶に残るような内容にした方が良いです。特に履歴書は面接の内容を左右するものなので、質問したくなるような内容で質問して欲しい内容を厳選して記載しておくと面接時の会話が盛り上がりやすくなります。
- 今回の記載では、例えば「釣り」、「アウトドア」とぼやけた内容だけではなく、「ブラックバス釣り」、「テント泊のバーベキューキャンプ」などイメージしやすいものにしています。特技や趣味が直接業務に関係なくても、面接官が同じ趣味を持っていたり、興味を持ってくれたりすると印象が良くなりますので、多趣味をアピールするのも一つの方法です。
③志望動機
実際の文章
「デイサービスとデイケアセンターで生活相談員を経験し、それぞれの管理者も経験しました。また、ヘルパーステーションでもサービス提供責任者と管理者を兼務するなど、ケアマネジャーの仕事にこれまでの経験が活かせると思い、応募しました。」
- 今回の事例だと、デイサービスやデイケアセンターでの生活相談員経験やヘルパーステーションでの管理職経験がどのようにケアマネジャーに活かせるのかが伝わりません。ケアマネジャー業務はマネジメント業務ではありますが、実際のところは利用者が介護保険サービスを利用するための調整役であり、事業所の管理業務とは異なります。ケアマネジャーに活かせるとするなら、ケアマネジメントを行う際に利用する介護サービスの内情やメリットデメリットを経験者の視点で要介護者や家族に伝えることが出来る点や、管理職を任せてもらえる人材だという点です。
- この場合は「色々なサービスを経験したこと」をアピールしたいのか、「多数の事業所で管理職を任されたこと」をアピールしたいのかをはっきりさせた方が良いです。特にケアマネジャーの経験が無い場合は言葉に信憑性が生まれませんので、あくまでも「こういった経験がケアマネジャーで活かせるのではないかと思う」という謙虚さも大事です。
④本人希望記入欄
実際の文章
「面接にて給料や残業など詳細なお話をお聞かせいただきたいと思います。」
- 本人希望記入欄も「特になし」や「御社の規定に従います」などが一般的ですが、事前に聞きたいことを書いておくことは悪くありません。ただし、給料や残業、あるいはその他のこともそうですが、募集要項に記載されている内容については、あらかじめ調べておく必要があります。
- 今回のケースは「給料=基本給」という意味ではなく、手当がどのくらいかを聞きたいため、募集要項に記載されていなかった手当てを記載して、何のことを聞きたいのか具体的に記す方が親切です。
- 残業についても、残業の有無を聞いているのか、残業の時間を聞いているのか、あるいは時間外手当の支給について聞いているのかが分かりません。自分が気にしていることが退勤時間なのか、あるいはサービス残業が横行しているかどうかなのかにもよりますが、相手に趣旨が伝わらなければ結局直接質問することになってしまいますので、聞きにくいことは尚更具体的に記載するようにしましょう。
本記事は2016/09/28の情報で、内容はケアマネジャー(介護支援専門員)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。