社会保険労務士が併せて取得する資格
社会保険労務士があわせて別の資格を取得するなら、社会保険労務士の行う業務と関わりの深い資格を選ぶべきです。
- 王道は行政書士
王道は、行政書士です。行政書士として建設業が業務を行うための許可申請書類を作る際に、同時に社会保険労務士として労災の処理を行うなど、この2つの資格にまつわる業務にはリンクする部分が非常に多いのです。社会保険労務士が最もよく取得を試みる資格といえます。
- 安全衛生問題のスペシャリスト
また、衛生管理者、労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタント、作業鑑定士などの資格を取得すると、労働安全衛生法にかかわる労務管理や、労働者の健康の管理に強い社会保険労務士になることができます。法律上のアドバイスのみならず、技術的な内容にも詳しくなるため、安全対策がより必要になってくる工場や現場のトータル的なコンサルティングも可能となります。
- 保険・年金問題のスペシャリスト
そして、保険や年金関係に強みをもちたいなら、DCプランナー(企業年金総合プランナー)や、ファイナンシャルプランニング技能士・AFP・CFPがお勧めです。これらの資格を取得すれば、企業年金や退職金制度の組み立てが可能になるため、報酬の高い賃金規定の見直しや改定の仕事を手掛けることができます。社長や社員の保険や年金相談も受けることができるため、仕事の幅がより広がるでしょう。
- 高みを目指すならWライセンス
最後に、難関とはなりますが、弁護士・税理士・司法書士・不動産鑑定士をあわせて取得すると、Wライセンス持ちとなり仕事に困ることはないと思われます。ただし、どの資格も社会保険労務士試験以上に狭き門となりますので、受験勉強は長期戦となるでしょう。
目指すものを明らかにしてから
やみくもに資格取得を試みるのではなく、まずは、どの分野に強みのある社会保険労務士になりたいかを考えた上で、的確な資格を選択することが重要です。新たな資格取得にこだわらず、社労士会や行政、大規模な税理士法人・社労士法人などが企画するセミナーや勉強会に参加することも、自分の知識に深みを持たせる方法の一つになります。セミナーや勉強会は最新の法改正や注目の労働問題に特化した内容が多いので、常に新しい情報をチェックしておきましょう。
本記事は2015/03/12の情報で、内容は社会保険労務士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。