入所系と在宅系
ケアマネジャーの資格を配置条件としている事業所は大きく2種類に分類されます。
①入所施設
地域密着型を含む特別養護老人ホームと介護老人保健施設、介護療養型医療施設、グループホーム、介護付き有料老人ホームです。
②在宅サービス
居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護です。
要介護者のサービス方針やサービスの内容を決めるケアプラン作成という点については、大きな違いはありません。
① 入所系施設でのケアマネジャーの役割
- 施設サービス
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設をまとめて施設サービスと呼びますが、いずれもケアマネジャーの常勤配置が必須条件です。入所施設におけるケアマネジャーの業務は主に入所者のケアプラン作成や家族への報告や連絡が中心ですが、施設によっては業務に差し支えない範囲で介護業務を補助することもあります。
- 居住系サービス
一方でグループホームや特定施設のような居住系サービスでは兼務が可能なので、配置基準としては少し緩いのが特徴です。そのため、多くの事業所でケアマネジャーが介護業務を兼務している実情があります。特にグループホームや小規模の介護付き有料老人ホームは、利用者の人数が少ないのでケアマネジャー業務も少なく、介護業務の割合が多くなりがちです。
- 入所系施設の中でも、施設サービスと居住系サービスでは配置基準が異なり、介護業務の割合も変わってくる現状がある。
② 在宅サービスでのケアマネジャーの役割
- 居宅介護支援事業所
ケアマネジャーの採用先で最も多いのが居宅介護支援事業所です。各事業所に複数名配置されている点が施設系や居住系とは大きく異なります。仕事内容も資格取得時に受ける研修そのままなので、オーソドックスな働き方ができますし、基本的な技術や知識を身につけるには最適な職場です。
最近では1人のケアマネジャーが担当できるケース数が制限されるようになっており、以前のように100ケースを1人で担当するようなことはなくなっていますが、一方で自宅への訪問回数が増加するなど負担は決して軽くはありません。
近年、ケアマネジャーの中でも一定の条件を満たすと主任介護支援専門員になる研修が受けられますが、居宅介護支援事業所では主任介護支援専門員が配置されていると加算が取れますので、主任介護支援専門員を積極的に採用しようとしているところもあります。また、管理職としての募集も散見されるので、有資格者の募集でも実際はケアマネジャー業務に従事しないポジションに配属される可能性もあります。
- 地域包括支援センター
地域包括支援センターでは、社会福祉士、保健師に加えてケアマネジャーの配置が求められているので働く場所の一つではありますが、もともと中学校区に1つ程度の設置しかないため、働けるケアマネジャーの数が少ないです。業務内容も介護予防支援が中心で通常のケアプラン作成とは異なるため、居宅介護支援事業所から転職する場合には少し戸惑う部分も出てきます。
- 居宅介護支援事業所はケアマネジャーの求人が最も多く、基本的な技術や知識を習得しやすい。地域包括支援センターは求人が少なく、業務内容も他とは異なる。
本記事は2016/09/15の情報で、内容はケアマネジャー(介護支援専門員)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。