ケアマネジャーの役割とは?
ケアマネジャーは、地域の要介護者と要介護者が本当に必要としている介護サービスをつなげる役割を担っています。この先どうなるかは議論されていますが、ケアマネジャーの担うケアプラン作成とサービス調整業務は、要介護者が適切にサービスを受けることができるよう、何度でも無料で利用できるようになっています。
ケアマネジャーの仕事内容は多岐に渡りますが、それだけに幅広い知識や経験が身につきますし、何より地域社会を支える実感がやりがいにつながる職種です。
ケアマネジャーの仕事の流れ
- 相談からサービスの提案まで
居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャーは、介護者や病院、民生委員、地域包括支援センター、役所などから要介護者の相談依頼が入ると現地に訪問調査に行きます。訪問調査の場では、要介護者や家族がどんなことに困っているか、どうすれば家族が安心して生活できるようになるかを聞き取ります。
訪問によって課題が明確になると、今度はその課題を分析し、問題点や解決策を考えます。この時に何もかも介護サービスで解決しようとするのではなく、地域の社会資源や家族の力、あるいは要介護者本人の生活習慣の改善など様々な視点で包括的に提案します。
もちろん課題の解決に介護サービスが適していると判断するのであれば介護サービスを紹介しますが、この時も1つの事業所で提案するのではなく地域にある事業所のそれぞれの特徴を伝えることで選択肢を増やすことも大事な役目です。
- ケアプラン作成からモニタリングまで
要介護者や介護者にとってベストなサービスが見つかったらケアプランを作成します。ケアプランには個人の目標やサービスを利用する目的に加えて、どのサービスをどれだけ利用するか、1割負担はいくらになるか、週間計画、月間計画で1週間に何回どのようなサービスを利用するか、1ヵ月だとどうなるかを全て書面化します。また、計画されたサービスはケアマネジャーが全て事業所と話をして利用できるように調整します。
実際にサービスの利用が始まっても月に1回は要介護者宅を訪問し、定期的に介護者と提供サービス事業所の職員を集めてサービスの利用状況や目標の達成状況、今後の方針などを話し合うなど、定期的に相談に乗るようにします。
- 要介護者に合った適切なサービスを選定、ケアプランを作成し、定期的に状況把握を行う。
重要な「給付管理」
介護サービスに携わっていない人にはあまり知られていませんが、介護サービスを利用するのにケアマネジャーが必要なのは、サービスの調整役としての役割以外に給付管理という重要な役割を担っているからでもあります。
給付管理とは、ケアマネジャーが要介護者のサービス利用状況を介護給付の管理をしている国民健康保険団体(国保連)に報告することです。例えばケアマネジャーがいないと、利用者がデイサービスを1週間に2回しか利用していなかった場合でも、デイサービス事業者が週3回利用したと請求しても分からないといった事態が起こり得ます。
そこで国保連は、ケアマネジャーの給付管理表とサービス事業者の実績報告を照らし合わせることで、サービスの利用回数などに間違いがないように管理しているのです。
本記事は2016/09/15の情報で、内容はケアマネジャー(介護支援専門員)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。