一般的に図書館で働く人を図書館司書と呼ぶ
図書館司書資格は国家資格となりますが、この資格の有無にかかわらず図書館で働く人を「図書館司書」と呼ぶことがあります。公務員が図書館に配属となる場合、通常はその職員に図書館司書資格があるかどうかは考慮されません。図書館の職員を総じて「司書」と呼ぶのは、学校における事務職員(教員ではない職員)を「先生」と呼ぶのと似た感覚です。
しかし、実際に図書館で働きたいという希望を持った人は、やはり国家資格である図書館司書資格の取得を目指しますし、図書館の求人には図書館司書資格を応募要件にもしています。以上のことから図書館司書資格を持って図書館で働く人を図書館司書とするのが正しい言葉の使い方です。
- 資格を持って図書館で働く人を図書館司書とするのが正しい言葉の使い方。
図書館司書の非正規化
図書館で働く職員の雇用体系には主に正職員と非正規職員があります。図書館で働く職員の数はここ数十年で倍増しましたが、増加したのは非常勤職員ばかりであり、公共図書館の職員の内訳でいえば、正規職員が3割程度にとどまり、残りの7割程度は非正規職員となっています。
また同じく公共図書館においては指定管理者制度によって、運営されている図書館が全体の2割ほどにまで増えています。事業委託された会社は、指定管理者として受託した業務を請け負う契約期間の都合もあり、実際に図書館業務を行う従業員は非正規社員として雇うことが多いです。つまり図書館司書は直接雇用、業務委託に関わらず、非正規職員が多いのです。
- 図書館司書は直接雇用や業務委託に関わらず、非正規職員が多い。
正職員で図書館で働くには
非正規雇用が多いのが図書館の現状ですが、正規職員として図書館に勤務するための確実性の高い順は次の通りです。
1.国立図書館職員の試験または国立大学法人(図書系)の試験に合格し採用される
2.地方自治体の図書館職員(専任)の試験に合格し採用される
3.私立学校の図書館司書(正規)に就職する
4.地方自治体の試験に合格し、採用後の勤務希望を図書館にする
ただし、いずれの方法も競争率および難易度が高く、1および2の方法で採用されるのは年間に20名未満ですし、3の方法については各学校が必要とするときだけの募集となります。そして4については募集人数は増えるものの異動によって図書館以外の部署に配属なることが十分考えられます。図書館司書として正職員で働くのは非常に難しいのが現状です。
- いずれにしても正職員として図書館で働くことは、競争率および難易度が高い。
本記事は2015/08/13の情報で、内容は図書館司書としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。