大手企業と中小企業の年収相場の違い
- 大手企業のパタンナーの年収
社員1000人以上で自社ブランドをいくつも持っているような大手企業では、正社員の女性で新卒からの年収は約280万円~300万円、入社3年目で年収300~350万円程度が普通です。ボーナス込みの金額なので、年収はその年の売上げによって大きく変動します。稀ですが、爆発的に売れたブランドのパタンナーはボーナスだけで100万円位もらえる場合もあります。特にヤングからヤングミセスのブランドで、その年トレンドの流れが当たるブランドではかなりのボーナスが期待できます。
パタンナーはデザイナーと違って技術職なので、どちらかというと縁の下の力持ちという感じがあり、デザイナーより年収は低いのが一般的ですが、昇給や、資格を取るなどしてキャリアアップもできますので、給与水準としては高めです。
- 中小企業のパタンナーの年収
中小企業の場合、新卒の正社員の女性で月収18万円程度、ボーナスが年2回1ヵ月分出るとして、年収250万円が相場です。会社の業績によってボーナスの幅はありますが、パタンナーの場合、少なくても1ヵ月分は出るところが多いです。多ければ3~4ヵ月分出るところもあります。
長く勤めたからといって順調に昇給するということはあまりなく、会社の売上げに左右されますが、年収が下がるということはよほどのことがない限りありません。
- 大手企業のパタンナーの年収相場は入社3年目で300~350万円程度が相場。ブランドが大ヒットすればボーナスが期待できる。中小企業ではやや低くなる。
DCブランドの年収
パタンナーとして一番就職が難しいのがDCブランドです。パリコレや東京コレクションに出ているブランドで使うパターンは、企業で使うCADで引いたパターンではなく、ボディーという人体に直接布を針で固定させてシルエットを作っていくもので、立体裁断という大変高い技術が必要なものです。パタンナーとしての仕事もアーティストレベルになるので、年収は企業のパタンナーより高めです。年収は600万円を超える人もいます。
ただし、デザイナーによっては就業時間に定時がなく、コレクション前は寝不足の状態が続くこともあり、体力勝負の仕事でもあります。
- DCブランドのパタンナーの年収は企業よりも高めだが、就業時間が不規則でコレクション前は寝不足の状態が続くことも。
フリーランスの年収
パタンナーというのは技術職なので、技術があれば在宅で仕事をすることも可能です。そのため、家で子育てをしながらパタンナーとして仕事をすることもできます。フリーランスでは、1から新しい形のパターンを引いて1型大体2万~2万5千円(シャツやコートなどアイテムによって難易度が違うので、交渉次第)、グレーディングで1型1万5千円~2万円が相場です。
月に10型パターンを作れば月収20万円位になるので、年収240万円になります。企業パタンナーは月に最低でも10型以上のパターンを引くので、フリーランスの方が単価は高いです。しかし、定期的に仕事があるか分からない、CADのローンとプロッタのレンタル料など出費が多いというのも事実です。
- 技術があればフリーランスとして働くことも可能だが、仕事量が安定しない、機材の出費がかさむといった懸念も。
本記事は2016/05/06の情報で、内容はパタンナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。