作業療法士の求人の傾向
一昔前であればリハビリに従事する人の数は全国的に少なく、どの病院や施設でも引く手あまたでした。重宝されるため給料面でも好条件のところが多かったです。ただ、現在は作業療法士の育成校が増え、有資格者も多くなってきている状況です。
若い作業療法士が増えたため、病院や施設は有資格者であれば経験の浅い作業療法士でも雇いたいというところもあるので、以前と比べると給料面も下がっている傾向にあります。求人数自体はまだ飽和状態というわけではなく、選り好みしなければ仕事先はあります。ただ好条件のところはやはり倍率が高くなってしまい、難しくなってきています。
また以前から、リハビリといっても療法士がマッサージのようなことしかしていない、理学療法士と同じようなことしかしていないといった意見も出ており、作業療法とはどういったものかをまだまだ世の中に知ってもらえるように試行錯誤している状態でもあります。これからはただ資格があるだけでは良い条件の就職先を見つけることは難しく、作業療法士として他の療法士とは違うアピールが出来るようになっていく必要があります。
- 若い作業療法士が増え、勤務先によっては狭き門になりつつある。希望の職場に転職するには独自の強みをアピールすることが必要。
働く場所による求人事情
作業療法士の働く場所は、大きく分けて身体障害領域、精神障害領域、発達障害領域、老年期領域の4つの分野があります。それぞれの求人の特徴を説明します。
- 身体障害領域
身体障害領域は主に病院での勤務が多いので一番求人数は多いです。ただ、理学療法士も多く活躍しており、身体領域では理学療法士しかいない病院などもあります。
- 精神障害領域
精神障害領域は身体障害領域よりも病院や施設の数は少ないのですが、主に作業療法士が活躍しているので求人数は比較的あります。
- 発達障害領域
発達障害領域は他の分野に比べて求人数が圧倒的に少ないです。理由としては働ける施設自体が非常に少ないためです。
- 老年期領域
老年期領域は、現在リハビリ特化型のデイサービスなどが増えてきているので機能訓練指導員としての求人が増えてきています。ただ正社員でなくパートでの求人も多いです。
色々な職場がありますが、学校生活を通したり、実際に働き始めてから自分が働きたい分野というのはある程度絞られてきますので、自分の働きたい分野の求人情報を集めていくことになります。ただ前述した通り、発達障害の分野は求人数が少なく、どうしてもこの分野で働きたいと考えている人は探す範囲を広げて、その分野で活躍している療法士や先生に紹介してもらったり、空きが出るまで長期的に探すといった必要も出てきます。
- 作業療法士の活躍の場は4つの領域に分類され、各分野で需要が異なる。
本記事は2016/04/19の情報で、内容は作業療法士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。