ある通所系のサービス事業所の介護福祉士の1日
通所系の場合、基本的に日帰りで、入浴や集団体操、レクリエーションや個人的なリハビリ等を行うことが業務内容です。
そのため、出勤したらその日の行事や欠席者の連絡等引き継ぎを行い「送迎」に出るのが一般的です。大きな事業所になると、10人程度が一気に乗れる車で専門の運転手がついているので、介護福祉士が個々で送迎を行うことは少ない事もありますが、送迎時の介護もサービス提供時間に含まれるようになったので、積極的に介護福祉士が送迎を行う事業所もあります。
ある介護福祉士の具体的な1日の流れをご紹介します。まず利用者が到着し、看護師等によりバイタルチェックを行い、家族からの連絡ノートを確認し異常がなければ先に入浴介助を行います。そして、午前中の水分補給は、入浴との兼ね合いをみながら適宜行います。
午後は集団で食事前の体操等を行ったり、昼食を食べ(介助が必要であれば介助し)、口腔ケアを行ってから午睡(昼寝)をします。起きてからは、集団体操やレクリエーションを行ってから午後のおやつや水分補給をし、カラオケやゲームを行う事業所もあります。1日の最後に自宅へお送りし、事業所に戻ってから介護記録を書き、一日の反省と翌日への準備と行います。
- 積極的に介護福祉士が送迎を行う事業所も。
ある訪問系のサービス事業所の介護福祉士の1日
訪問系の仕事は、自宅で生活している高齢者のところへ行き、排泄介助や食事介助等の身体介護を行うことが基本となります。家から家へ移動しながら介護サービスを提供します。
起点となるのは事業所がある建物ですが、介護福祉士の場合はサービス提供責任者になる事が多いので、居宅介護支援事業所等からの電話対応なども行いながら、自分も高齢者宅へ訪問に出かけるという忙しいスケジュールになります。
高齢者宅へ伺って行うサービスは、様々ですから一概に流れはありません。ただし、食事を作るといったの家事援助に関しては、介護保険サービス内では行わないことになっているので、地域のボランティア団体やNPO法人等が行う有料サービスを利用することが一般的です。
一日の終りにその日を反省し、翌日への準備や職員間で申し送りを行う訳ですが、訪問系の場合、スタッフと利用する高齢者がうまく合わない場合があります。このような時、間に入り解決をしたり他のスタッフに変更するなどの業務もサービス提供責任者の仕事ですから、介護福祉士であれば十分この仕事に成り得ます。
- サービス提供責任者の場合には、電話対応なども行いながら、高齢者宅へ訪問に出かけるという忙しいスケジュールも。
ある入居系のサービス事業所の介護福祉士の1日
特別養護老人ホームや老人保健施設、またグループホームや地域密着型の特養など、24時間365日高齢者が所在している施設の介護福祉士の一日は、一日の始まりをどこにおくかによって違いますが、人間の日常生活を考えてみれば、それを介護するのが業務ですから大体わかります。
例えば、夜中に起きたトイレ、朝になって目が覚めてからのパジャマからの着替え、整容、トイレ、朝食、歯磨き、テレビなどの余暇時間、トイレ、午前の水分、昼食、昼寝、トイレ、午後の水分、その間にお風呂、水戸黄門鑑賞や将棋などの娯楽、夕食、トイレ、歯磨き、パジャマへの着替え、就寝、という流れです。
最後に、全ての事業所に共通しているのは、精神的な支えになる活動や人生を楽しくさせるような余暇時間、また個人的に関心を払う時間などを必要最小限の業務以外の時に行うということです。さらに介護福祉士は専門的な知識をもつ職業なので、資格がない者が行う介護業務とは違いがあるものです。それらを、一つ一つの関わりの中で提供していくことになります。
- 入居系のサービスは、日常生活での介護をしていく業務。
本記事は2016/03/31の情報で、内容は介護福祉士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。